新F1オーナーのリバティ・メディアによってF1最高責任者のポジションを追われたバーニー・エクレストンが、今後再びモータースポーツ界で権力の座に座る可能性は小さいかもしれない。
86歳のエクレストンに関しては、今後F1に対抗するライバルシリーズを立ち上げるのではないかとのうわさがささやかれたが、これに関してはエクレストン本人が否定を行っている。
■エクレストン復活はありえるとロズベルグ
だが、2016年に初のF1ドライバーズタイトルを獲得した後にF1引退を決めたニコ・ロズベルグは、エクレストンがこのまま消えてしまうとは思えないとスペインの『Marca(マルカ)』に次のように語った。
「エクレストンはそう言ったけれど、それを信じるわけにはいかないよ。なぜなら彼は以前それ(返り咲き)をやったことがあるんだからね」
「そしてトト・ヴォルフ(メルセデスAMG/ビジネス担当エグゼクティブディレクター)も言っていたよ。彼(エクレストン)は何らかの形でカムバックするだろうとね」
一方、F1と袂(たもと)をわかち、ライバルシリーズを立ち上げるといった動きはエクレストンにとって賢いやり方だと思うかと『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』から質問された元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーは次のように答えた。
■エクレストンの最大の敵は「時間」だとベルガー
「バーニーは助言など必要としないよ」
「彼は自分がしようとしていることや、それを成功させることができるかをはっきりと分かっているんだ。彼は私がモータースポーツの世界で会った者の中では最も賢い人物だよ」
「彼にとって不利なことはひとつだけだ。それは時間だよ」
■今後は余生を楽しむべきだとブリアトーレ
エクレストンとは長く交友のある元F1チーム代表のフラビオ・ブリアトーレも、すでに86歳となったエクレストンが新たにライバルシリーズ立ち上げに動くというような話は「意味のないゴシップ」に過ぎないと考えている。
「私は毎日彼から連絡をもらっているよ」
イタリアの放送局『Sky Sports 24(スカイ・スポーツ24)』にそう語ったブリアトーレは、次のように続けた。
「これから名誉会長と呼ばれることになるが、それは最悪の出来事だよ。彼が師匠だったときの弟子のようなものだからね」
「だが、バーニーは86歳だし、これからは自分の人生を楽しむべきだよ。90歳まで生きられればそれだけで幸せなんだからね」