ドイツのF1レース主催者たちは、F1がリバティ・メディア時代を迎えたことを歓迎しているようだ。
■今年もF1カレンダーから落ちたドイツGP
2008年以降、ホッケンハイムとニュルブルクリンクによって交互開催されてきていたF1ドイツGPだが、ニュルブルクリンクが財政破たんに陥ったことから、同サーキットで2015年に開催されるはずだったグランプリはキャンセルとなった。
2016年には開催契約を結んでいるホッケンハイムで2年ぶりにドイツGPが開催されたが、本来ニュルブルクリンクが開催契約を結んでいた今年もドイツGPはF1カレンダーから落とされてしまっている。
前F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、今年もホッケンハイムでドイツGPを開催すべく主催者と交渉を行ったものの、条件が折り合わず、話し合いは決裂に終わっていた。
■ドイツではF1の新執行体制に期待
だが、アメリカのリバティ・メディアがF1の新オーナーとなったことから、F1運営体制が大きく変わることになった。
今週、長年にわたってF1の商業面を取り仕切っていたエクレストンが第一線から退き、新たにチェイス・キャリーがF1のCEO(最高経営責任者)に就任したことが発表されたのだ。
ニュルブルクリンクとホッケンハイムのレース主催者たちはこのニュースを前向きに受け止めたようだ。
ニュルブルクリンクの新マネジメントディレクターに就任したミルコ・マルクフォルトは、ドイツの『Bild(ビルト)』紙に次のように語った。
「我々はニュルブルクリンクでドイツGPを開催したいと強く願っている」
また、ホッケンハイムの責任者であるゲオルグ・ザイラーも次のように語っている。
「私は新オーナーが伝統というものを非常に重要に考えていると耳にした。これをふまえ、私としては2019年以降についての交渉を楽しみにしているよ」
■F1の伝統を保護していくとロス・ブラウン
実際のところ、新オーナーによる新たなF1運営体制が確立されたとはいえ、今年のF1カレンダーにドイツGPを復活させることは無理なようだ。
「私の知るところではないが、(F1カレンダーに)何らかの変更があるとは思わないよ」
F1のモータースポーツ担当マネジングディレクターに就任したロス・ブラウンは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にそう語ると、次のように付け加えた。
「だが、私が言いたいのは、ドイツは伝統的なレースだということだ。そして我々はF1の伝統を保護し、維持していきたいと思っている。それがこのスポーツの強みのひとつなのだからね」