F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)のF1競技委員長を務めるチャーリー・ホワイティングが、F1の競技ルールを非常に簡素化することは困難だとの見方を示した。
■ドライバーへのペナルティーが多過ぎるとF1チームたち
今週、F1の意思決定機関のひとつであるストラテジー・グループの会合がスイスのジュネーブで開催された。この会議で、構成メンバーであるF1最高責任者であるバーニー・エクレストンや有力チームの代表者たちはFIAに対し、現在はあまりにもドライバーに対するペナルティーが多過ぎるとし、大幅にルールを見直してこうしたペナルティーを削減すべきだと主張したと伝えられている。
だが、ホワイティングは、かつて1970年代や80年代のころのような単純なルールに戻すことは簡単なことではないだろうと次のように語った。
■今の複雑なF1を単純なルールで管理するのは無理
「残念ながら、スポーツ全体がもっと複雑なものとなってしまっていると考えている」
「ドライビングに関するすべてのルールはひとつにまとめることができるかもしれない。ドライバーは安全な運転をしなければならない、という一文にね。だが、こんな単純なルールにしてしまえば、誰もがそれは具体的にどういう意味なのかという質問をし続けることになるだろう。我々にそんなことができるだろうか?」
「だから、私個人としては、ルールをこれ以上単純なものにすることは難しいだろうと思っている。我々は複雑なスポーツをしている。それが現実だし、これまで20年かそれ以上にわたって今のような形に変わってきたのだからね」
■競技委員を固定化することで裁定の一貫性は向上可能
だが、ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』は、ホワイティングはルールそのものではなく、ペナルティーを与えるかどうかを判定する競技委員をレースごとに指名するのではなく、固定のメンバーにすることでペナルティーの一貫性を高めていくという改善はできると提案しているようだ。
「ホワイティングは、FIA会長のジャン・トッドに提出する共同文書に署名するようチーム代表たちに働きかけている」と『Auto Bild(アウト・ビルト)』は書いている。
■ブラジルGPでの赤旗中断はやむをえなかった
一方、ホワイティングは先週末にインテルラゴス・サーキットで行われたF1ブラジルGP(第20戦)決勝において批判が多かった2度目の赤旗中断という判断に対し、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように釈明している。
「雨は常に強さが変わっていた」
「もちろん、前の方を走るドライバーたちはレースをしたがっていた。彼らはいい視界が得られていたからね。だが、ほかのほとんどのドライバーたちは、コンディションは非常に悪いと言っていたんだ」
そう語ったホワイティングは、ブラジルでのレース中に、路面コンディションについて最も偏りのないアドバイスを行っていたのはレッドブルのダニエル・リカルドとトロロッソのダニール・クビアトだったと語り、次のように付け加えた。
「彼らが一番貴重で中立的な助言を与えてくれていたよ」