ロン・デニスがマクラーレン・テクノロジー・グループの最高経営責任者(CEO)のポジションから降ろされた。
しばらくは、暫定体制のまま会社は運営されるというが、ガーデニング休暇の立場に置かれたロン・デニスのCEOの契約は1月まで残っており、グループトップ不在で、次の強力なリーダーも未定という、複雑な体制のまま2017年をスタートさせることになる。
■どうなるマクラーレン・ホンダ
懸念されるのは、マクラーレン・ホンダの戦略だ。マクラーレン・テクノロジー・グループの傘の下にあるマクラーレン・レーシングがF1チーム母体だ。9月にマクラーレン・レーシングのCEOに就任したばかりのヨースト・カピートは早急に勝てる体制を作れるのか。そのためには投資が必要になるだろう。その投資判断に株主がどこまで口を出すのか、という事も懸念される。
カピートはロン・デニスが引き抜いてきた人物でもあることから、今後、株主がどういう人物をグループCEOに迎え、その新グループCEOがどんな判断を下すのかはまだわからない。
前フォルクスワーゲン・モータースポーツ代表時代、WRCにおいて力強い結果を築いてきたカピートだが、マクラーレンに来てわずか半年という短期間で、この巨大グループ組織を見極め、適切な人事配置、戦略を決めて、再びマクラーレンを常勝チームに導くことができるのか。ロン・デニスという強力なパートナーを失ったカピートは、難しい立場に置かれた。
2017年のF1ルール改定というチャンスの時期に、お家騒動によってチャンスを逃さないか懸念される。
■ドライバーのモチベーションへの影響は
そして何より心配なのはドライバー、特にフェルナンド・アロンソのモチベーションだろう。さらにジェンソン・バトンの2018年の復帰の判断もどうなるのかわからなくなってきた。