F1チームの首脳たちが、ロス・ブラウンがバーニー・エクレストンの後任となりそうだと報じられたことについて否定的な反応を示している。
今週、かつてフェラーリやブラウンGP、そしてメルセデスAMGで手腕を発揮してきたブラウンが、近い将来エクレストンに代わってF1最高責任者のポジションに就くことになりそうだとの報道が行われた。
だが、ブラウンはその後イギリスの『BBC』に対し、F1新オーナーのリバティ・メディアとはコンサルタント契約を結んだものの、それ以上のものではないと次のように語った。
「私は彼らがもっとF1をよく理解できるように少しばかりコンサルティングを行っている。だが、それだけだよ」
そしてブラウンは、その後のことについては「すべてエクレストン次第だ」とも語っている。
■ブラウンはFIA向きだとエクレストン
一方で、10月28日に86歳の誕生日を迎えたエクレストンのほうは、まだF1から手を引くつもりは毛頭ないようだ。
エクレストンはドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』に対し、ブラウンが自分が管理しているF1商業権分野にかかわる仕事に就くことをあまり歓迎していない雰囲気をにじませながら、次のように語った。
「私は、もし彼がFIA(F1統括団体である国際自動車連盟)に入ったのなら、ものすごくうれしかっただろうね」
■優れたエンジニアのブラウンもエクレストンの仕事は困難?
そのエクレストンには強力な支援者もいるようだ。
メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダは、ブラウンがエクレストンの後任を務めるのは無理だと『Bild(ビルト)』に次のように語った。
「ロスは素晴らしいエンジニアだよ。だが、バーニー・エクレストンのような才能豊かなビジネスマンの代わりは無理だね」
■エクレストンの仕事は簡単には引き継げない
トロロッソのチーム代表を務めるフランツ・トストも同意見だ。トストは、エクレストンの仕事は単純に誰かをあてがえばよいというようなものではないと主張し、次のように付け加えた。
「引き継ぎのプロセスには時間がかかると思っている。来年とその次の年も、私はバーニーとリバティがコンビを組んでやっていくことになるだろうと見込んでいるよ」
さらに、フォース・インディアのチーム副代表を務めるロバート・ファーンリーも、F1がエクレストンの交代人事をあまり性急に行うのは賢いやり方とは言えないと次のように語った。
「我々には、新しいオーナーへの移行を助けてもらうためにバーニーが必要だよ」