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F1の「トラックリミット」は是か非か?

2016年08月23日(火)19:30 pm

最近何かと話題に上ることが多い「トラックリミット」と呼ばれるルールに関し、2人のF1チーム代表が現状の運営方法について不満を述べた。

■一貫性のない「トラックリミット」運用

この「トラックリミット」とは、文字通りF1カーがこれを越えて走行してはならないという限界値を指すものだ。最近ではサーキットごとに特定のコーナーで厳しくこのトラックリミットが運用されており、予選でこのトラックリミットを越えて走行した場合、そのラップタイムは抹消されてしまう。また、決勝では数回違反が積み重なった場合にはペナルティーが科されることになっている。

だが、最近のレースでは、その限界値がコーナーごとに、あるいはサーキットごとに変えられるという状態となっており、中には1日ごとに基準が変わったケースもあった。

■「トラックリミット」は廃止すべきだとメルセデスAMG

メルセデスAMGを率いるトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)は、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、トラックリミットの取り締まりを一切やめるべきだと考えている。

「彼ら(F1ドライバーたち)にレースをさせようじゃないか」

『Gulf News(ガルフ・ニュース)』にそう語ったヴォルフは、次のように続けている。

「そのほうが見せ場も増えるし、ファンにとってもいいことだよ」

「白線(を越えたかどうか)の分析を始め、ドライバーが自分のタイヤを2センチメートルだけ基準を超えたためにラップタイムを抹消されたとしても、理解できる者など誰もいないよ」

さらに、ヴォルフはそのルール運用に一貫性がないことも問題だと次のように付け加えた。

「ドイツではばかげていたよ。ルールが3回も変わったんだからね」

■一貫性は必要だがもっと厳格にすべきとレッドブル

一方、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーはヴォルフとは少し異なる意見を持っている。トラックリミットの監視は行われるべきだが、少なくとももっと一貫性のある方法で行われるべきだというのがホーナーの考えだ。

「コーナーごとに基準が違うのは理解できないし、ほかの大勢同様私も不満を感じている」

そう語ったホーナーは、コースの走行限界点を示す白線は、例えばテニスのようにもっと厳格に監視されるべきだと付け加えている。

■ルールを撤廃するわけにはいかないとFIA

F1チームからこうした苦情をつきつけられたFIAのF1競技委員長チャーリー・ホワイティングだが、トラックリミットに関する考え方を変えるつもりはないようだ。

夏休み前最後のレースF1ドイツGP(第12戦)が行われたホッケンハイムでF1チーム代表たちからこのルールを撤廃するよう求められていたホワイティングは、次のように語った。

「私はそれ(ルール撤廃)は妥当ではないと感じていたよ。今行っていることを今後も続けるべきだと考えている」

「特定のサーキットにおける特定のコーナーに関しては少し問題があるのは事実だ。だが、我々はそれをひとつずつ取り除いているところだ」

そう語ったホワイティングは、次のように結んだ。

「まったくの自由にさせ、彼らが非常に大きく曲がっても何も注意を与えないというのは難しいよ。それは、基本的に異なるサーキットがあって、そこではより高速となり、ランオフエリアは少なくなる場合がある。だからそれ(撤廃)を検討することなど到底できなかったよ」

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