マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエが、ホンダのパワーユニットは「明らかに」大きな進歩を遂げていると主張した。
【結果】F1スペインGP決勝の順位、タイム差、周回数、ピット回数
昨年23年ぶりに復活した伝説的コンストラクターであるマクラーレン・ホンダだが、その初年度は想像以上に悲惨な結果に終わっていた。だが、今シーズンに入ると昨年の大きな課題であった信頼性も向上。そして、先週末に行われたF1スペインGP予選では、フェルナンド・アロンソが初めて予選Q3への進出を果たした。
■ホンダパワーはメルセデスとフェラーリの間
ブーリエは、『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように語った。
「データを詳しく分析したところ、パワーに関しては今ではメルセデスとフェラーリの間くらいのところまできているよ」
「ドライバーたちも進歩を確実に感じているし、サーキットでは我々が強くなったことは誰の目にも明らかだ」
そうした進歩が得られた背景には、ホンダがその「哲学」に手直しを加えたということがあるのかもしれない。これまでホンダは技術者を成長させながら時間をかけてトップを目指したいと考えており、明日にも勝利を得たいと考えるマクラーレンとの間に意見の食い違いを生んできたと考えられている。
そのことについて質問を受けたブーリエは、次のように答えた。
「イエスでもあり、ノーでもある。ホンダはこれまでも常にいい取り組み方をしていたし、速やかに対応する姿勢を示していたよ。全員がアクセル全開で頑張っていると感じられるほどさ」
「そして、約束されていた変更が実現されつつある。ホンダの社長兼CEOである八郷隆弘氏がモナコに来ることになっているんだ」
■ホンダがほかのチームPU供給を行う必要はない
そのマクラーレンでは、来季以降ホンダがほかのチームにパワーユニットを供給することを許さないという姿勢を崩していない。2017年以降についてはエンジン関係ルールの見直しも行われることになっているが、その中にはエンジンメーカーは複数のチームにパワーユニットを供給できるようにしなくてはならないというルールも新たに設けられることになっている。
だが、ブーリエはその新しいルールに言及しながら、次のように語った。
「エンジンを手に入れられないチームがあってはならない、というところが重要なんだ」
「だが、私に言わせれば、ホンダが来年ザウバーやトロロッソにエンジンを供給できると言う理由などないよ。報道ではさかんにそう言われているけれどね」
そう述べたブーリエは、次のように締めくくった。
「そんなことは起こらないよ」