いろいろと議論の的となっていた「いす取りゲーム方式」とも呼ばれる新予選方式だが、世界モータースポーツ評議会によって2016年F1開幕戦オーストラリアGP(20日決勝)から実施されることが決まっている。
■フェラーリが拒否権発動の可能性も
だが、レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、この予選方式が導入されない可能性もまだあると『Sun(サン)』に次のように語った。
「なぜこの方式を取り入れようとしたのかについては理解もできるよ。雨の日の予選のように、少しばかり面白くしようと考えているんだ」
「だが、もちろんフェラーリはこういうことに関して拒否権を発動できる。正直に言って、実際に新しい予選方式がメルボルンで実施されるかどうかは分からないよ」
■新予選方式は混乱を招くだけだとホーナー
ホーナーは、現在のF1ルールは大きく変えてしまうべきだと主張していることで知られている。だが、予選方式に関しては現行方式を変更する必要はないと考えているうちの1人だ。
「そうする必要があったと思うかい? そんなことはない」
「それによっていろんなことが劇的に変わるだろうか? そんなことはないさ」
そう続けたホーナーは、次のように付け加えた。
「混乱しそうかって? それはある」
■新予選方式導入はエクレストン対策だった
一方、メルセデスAMGの非常勤会長であり、現役時代には3度王座に就いたことのある伝説的元F1ドライバーでもあるニキ・ラウダは、『Sky Sports News HD(スカイ・スポーツ・ニュースHD)』に対し、新たな予選方式に対して批判があることも分かっているが、エクレストンが導入しようとしていた案はもっと極端なものだったと次のように説明した。
「新しい予選方式に関しては、いろんな経緯があったことを知っておく必要があるよ」
「観客の減少を心配したエクレストンが、とんでもない案を持ってストラテジーグループ(F1主要チームで構成される意思決定組織)の会合にやってきたんだ」
「ポールポジションを獲得した者が決勝では10番手からスタートし、予選10番手となった者がポールから決勝をスタートするというものだ。面白いアイデアだよ」
「だが、私に言わせれば、それは競技のルールには反するものだ」
「その案が導入されるのを防ぐために、我々は全員が団結してこの新しいシステムを導入することにしたのさ」
■現行のままでも問題はないとラウダ
そう語ったラウダだが、ホーナーのようにメルボルンで本当に新予選方式が導入されるかどうか疑っている者もいると聞かされると、次のように続けた。
「我々が何かを決定したのに、実際には何も変わらないというのはばかばかしい話だ。どうなるか、ぜひ知りたいものだね」
「だが、もしそれ(新予選方式)が導入されなくなったとしても、別に問題ではないがね」