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“ハロー”導入決定を急ぐFIA

2016年03月11日(金)17:37 pm

F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、F1カーのコックピットに何らかのドライバー頭部保護対策装置を装着する計画を進めているが、実際に2017年から導入するためには、最終決定までの時間はもうそれほど残されていない。

■早期導入に向けて検討を進めるFIA

FIAでは、先週バルセロナで行われた今季2回目の公式シーズン前テストで、フェラーリのキミ・ライコネンとセバスチャン・ベッテルのF1カーに“ハロー”と呼ばれる頭部保護装置の実物大模型を備えて走行テストを行っていた。

ジャン・トッドFIA会長は、2017年からF1カーに何らかの保護装置装着が義務付けられるようになる「可能性は非常に高い」と認めている。

そして、FIAの安全責任者であるローラン・メキースも「可能な限り早期に導入できるよう懸命な取り組みを続けている」と語り、次のように続けた。

「(バルセロナでのテストが)関連するいくつかのことを調査する引き金になると確信している。視界やクルマからの脱出時に問題がないかとか、ほかにもいくつかの観点からの分析が必要になるだろう。今後6か月の間に導入にあたっての検証テストが行われることになると考えている」

「だが、我々としてはそれを短縮しようと頑張っているがね」

■2017年導入には数か月以内の決定が必要

2017年のF1レギュレーションに関しては、今年の3月1日前に合意に達する必要があった。だが、メキースは“ハロー”の導入に関しては例外的なあつかいとなり、これからでも2017年から導入することは可能だと次のように続けた。

「本当の最終期限は、それに沿ってチームがクルマの変更をするためのタイミングということになるし、すべての関連問題分析にあたっての我々の能力次第だということになる」

「F1において、設計はかなり以前から進められていた。だから、もし2017年から導入しようとするなら、今後数か月の間に決定を下す必要がある。こういう問題に関しては誰だって慌てて進めたいとは思わないだろう。だが、我々としても可能な限り早く進めるよう取り組んでいる」

■見た目の問題も大きな課題に

だが、フェラーリが行ったテストを見た関係者からはさまざまな反応が出てきている。ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)はF1史上最も見た目の良くない装置だと批判し、自分は使うつもりはないとコメント。頭部保護装置の必要性は認めているフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)やセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)も“ハロー”に関しては「大げさ」であり、「醜い」ものだと認めている。

■“ハロー”以外の対策も検討

だが、導入の可能性があるのは、今回フェラーリがテストした“ハロー”だけではない。レッドブルでは透明な防弾ガラス状の保護対策装置を推奨しており、FIAも最近“ハロー”以外の2種類の対策装置をイギリスの飛行場でテストしている。

そのうちのひとつは“AFP”と呼ばれるもので、F1カーのモノコックに傾斜のついたヒレのような形で装着され、ドライバーめがけて飛んでくる破片などがこれによって払いのけられる仕組みとなるものだ。

FIAの技術コンサルタントを務めるアンディ・メローは、この装置に関して次のように説明している。

「この比較的目立たない構造によって、タイヤなどがドライバーのヘルメットの上へ跳ねあげられるに十分な垂直方向への力を生じさせようと試みた」

「この手法により、シャシーに反応荷重を最小限にするために設計された枠をうまく適合させることを目指している。これならば、非常に軽量で、視覚的なインパクトも小さくできるはずだ」

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