F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)ならびにF1最高責任者のバーニー・エクレストンが、話題となっている「いす取りゲーム方式」とも呼ばれるF1新予選方式が2016年の全レースで実施されることを正式に認めた。
■導入されるのか不透明だった新予選方式
2月末に行われたF1委員会において、今年は予選Q1からQ3までの各セッションで90秒ごとに1人ずつドラバーが脱落していくという新方式を導入することが決定された。だが、その後エクレストンがソフトウエアの対応がシーズン序盤には間に合わないと発言する一方、ドライバーの中にもその方式に対して批判の声が上がっていた。
このため、この新予選方式に関しては、導入時期が遅れるとともに方式自体も一部修正されるのではないか、あるいは廃案となるのではないかなど、さまざまなうわさがささやかれていた。
■当初の案通り開幕戦から導入で決定
だが、エクレストンは4日(金)に『Forbes(フォーブス)』に対し、ソフトウエアの問題は解決のめどがたち、開幕戦F1オーストラリアGP(20日決勝)には間に合うと語り、次のように続けた。
「先日(F1委員会で)投票が行われ、合意した内容そのままで実施されることになる」
「ソフトウエアを間に合うように対応させることができないのではないかと考えていたが、それは可能だと思っており、問題はない。なんとか解決できたし、オーストラリアから確実に実施できるだろう」
その予選新方式は、4日(金)にジュネーブで開催されたFIAの下部組織にあたる世界モータースポーツ評議会において承認されたと伝えられている。
FIAはこれに関する声明を発表。その中でFIAは「新方式は2016年のF1選手権の初戦から導入される」とし、F1意思決定機関であるストラテジー・グループとF1委員会も現行レギュレーションに修正を加えることを承認することになると付け加えている。
■何もしないよりはましだとF1ボス
エクレストンは、F1をさらに面白くするためには、決勝のスターティンググリッドは予選タイムの速かったものを後ろに下げるといういわゆる「逆グリッド方式」のほうが好ましいと主張している。
しかし、エクレストンも今回の新予選方式導入に関しては「好ましいものではないにせよ、何か手を打つことはいいことだ」と語り、予選にゲーム性が加わることで、速いドライバーが結果として後方のグリッドに下がるようなことがあれば面白くなるだろうと次のように付け加えた。
「何人かがノックアウトされればうまく機能するかもしれない。最後に2台のクルマが残るというのもいいかもしれないね」