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F1エンジンパラレル計画が復活?

2016年03月04日(金)20:01 pm

2015年10月に、F1最高責任者バーニー・エクレストンと統括団体FIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長が2017年から独立系エンジンサプライヤーに現在のパワーユニットよりも安価なF1エンジンを供給させ、現行パワーユニットとパラレル(並行)運用するという計画を打ち出していた。

この案に関してはF1の主要チームが組織する意思決定機関ストラテジー・グループによって否決されたが、その代わりにパワーユニットを製造する自動車メーカーは顧客チームへこれまでよりも低価格でユニットを供給するという妥協案を示していた。

■メーカーの価格低減案は「見せかけ」?

だが、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が、再びその独立系エンジンメーカーによる第2のF1エンジン導入計画が復活することになりそうだと伝えている。

実際のところ、ほんの数日前に、メルセデス、フェラーリ、ルノー、そしてホンダの各パワーユニットサプライヤーがコスト削減や音の改善、さらには昨シーズンにレッドブルが味わったようなパワーユニットの入手が困難となるような状況を今後は作らないようにするということで合意したばかりだ。

FIAも、2月末に行われたF1委員会において「パワーユニットの供給問題に関しては大きな進展が見られた」としていた。

だが、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』のベテラン記者であるミハエル・シュミットは、2018年からは顧客チームの負担するパワーユニット購入費を年間1,200万ユーロ(約15億円)にするというのは、実際には「見せかけ」に過ぎないと主張している。

シュミットによれば、「1,200万ユーロという料金に含まれるのは、1チームにつき6台のエンジンと、サーキットに派遣するエンジニア5人分の代金だけだ。だが、実際には複雑なユニットを操作するにはその倍のエンジニアが必要になる。つまり、メーカーはその分の追加支援料金を請求する」つもりであるとともに、「その価格の中には燃料代やオイル代も含まれていない」のだという。

■ユニット供給自由化を拒否するマクラーレン

そればかりではない。今回の2018年に向けた合意内容において、顧客チームが希望するメーカーのパワーユニットを入手できるようにするということも重要なポイントのひとつとなっている。ところが、現在ホンダから独占的にパワーユニットの供給を受けているマクラーレンでは、ホンダに対してほかのチームへ供給することを認めないという姿勢を変えるつもりはないと見られている。

シュミットは、これについて次のように書いている。

「ロン・デニス(マクラーレン最高権威)は、前回のストラテジー・グループ会議において自分はその合意に署名することはできないと語り、その理由として現在の(ホンダとの)契約の中に他チームへの供給を拒否するという項目が盛り込まれているから、もし署名すればその契約に違反することになると説明した」

シュミット記者によれば、こうしたことから、パワーユニットサプライヤーによる2018年に向けた合意はすでに破たんしたも同然であり、エクレストンによる独立系エンジンメーカーを参入させるという案が再び目を覚ますことになるだろうというわけだ。

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