先日、メルセデスAMGがフェラーリへ機密情報を持ち出そうとした疑いにより、自社のエンジン担当エンジニアを告訴したことが明らかとなった。
その一件を報じた『Bloomberg(ブルームバーグ)』は、メルセデスのF1エンジン施設での業務に従事していたベンジャミン・ホイルというエンジニアが機密情報にあたる文書やデータを持ち出したとし、そのホイルが来年フェラーリへ移籍することになっていたと伝えていた。
そして、メルセデスAMGが提出した訴状には、「ホイル氏、そして恐らくはフェラーリも、不法な利益を得ていたであろう」と記述されていたという。
だが、フェラーリではそのエンジニアがフェラーリに加入することはないと否定していた。
この件に関し、フェラーリのチーム代表を務めるマウリツィオ・アリバベーネが最近次のように語ったと伝えられている。
「新たに加入するのはジョック・クリアだけで、それ以外には誰もいない」
アリバベーネが言及したクリアは、2014年までメルセデスAMGでルイス・ハミルトン担当のパフォーマンスエンジニアを務めていた人物だ。クリアがフェラーリに加入することは、すでにしばらく前に明らかとなっていた。
アリバベーネはさらに続けた。
「ホイルに関して報じられていることは全く根拠のないものだ。今や彼がF1回で最も話題の人物であるとしてもね」
このスパイ疑惑に関してはまだ調査が進められているところではあるが、メルセデスAMGも「情報がフェラーリにわたったと考えられるような証拠はない」ことを認めるとともに、「法廷文書はいずれも、フェラーリが不当な行為を画策したことを申し立てるものではない」とフェラーリに対して訴訟を行う可能性を否定している。