28日(月)に、ルノーが財政難にあえぐロータスの買収に向けて「基本合意書」にサインしたことが報じられた。
ロータスには28日にロンドンの高等裁判所から破産宣告が下されることになっていたが、その数時間前にルノーがロータス買収の意向を正式に認め、今後数週間のうちに正式に買収を完了する予定であることを明らかにしたものだ。
これにより、ルノー側が未納となっている400万ドル(約4億8,000万円)の税金と保険料をイギリスの税務当局に支払うことが約束され、ロータスの裁判はそれが完了するまで10週間にわたって休廷とされることになっている。
■2016年に新生ルノーF1誕生がほぼ確実に
この時点では、2016年からロータスが新たなルノーのワークスチームと変わることが完全に確定したわけではないが、それに向けて大きな前進があったことは間違いない。
現在のロータスのドライバーのうち、PDVSA(ベネズエラ国際石油会社)という潤沢な資金を持つスポンサーを擁するパストール・マルドナード(ロータス)は、来季もロータスから出走することがすでに確認されている。
だが、もうひとりのロマン・グロージャンは、2016年にF1新規参戦を開始するハースF1に移籍することになると信じられており、その発表が29日(火)中にも行われることになると見られている。
ということは、仮に来季ルノーF1が正式に発足した場合、そのシートがひとつ空くことになる。
■ジェンソン・バトンが新生ルノーF1に移籍?
イギリスの『Daily Mirror(デイリー・ミラー)』は、その場合の筆頭候補ドライバーはジェンソン・バトンだろうと書いている。バトンは、低迷が続くマクラーレン・ホンダを見限り、新天地を模索していると伝えられており、その場合ルノーのシートは魅力的なものとなるかもしれない。
最近、マクラーレン総帥であるロン・デニスが、マクラーレンとバトンの間には2016年も契約があると主張したことが報じられたが、バトンはそれに関してコメントすることを拒否している。もしもマクラーレン残留の意向が強ければ、そうした姿勢は不可思議だということになる。だが、バトンがルノーへの移籍を念頭に置いているとすれば、それにも合点がいくというわけだ。
そのバトンは、フランスの『L’Equipe(レキップ)』に次のように語った。
「もし僕が来季もF1にいるとしたら、競争力があるチームでないとね。8位争いをすることに興味はないよ」
■バトンには移籍が必要かもしれないとクルサード
バトンの親しい友人のひとりでもある元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、35歳となるバトンがマクラーレンを離脱する可能性もあるだろうと『Telegraph(テレグラフ)』に次のように書いている。
「もし、ジェンソンがまだ情熱を持っており、ホンダが今季フェラーリが見せたような大きな前進を果たすだろうと信じているのであれば、彼は今のまま(マクラーレンで)続けるべきだろうね」
「だが、もし来年もこういうことが続くことを恐れているのであれば、彼には移籍することが必要だ。そうでなければ、単に非生産的なことになってしまうからね」