2016年から導入されるスーパーライセンスのポイント制度が改訂された。10日(金)にメキシコで開催されたFIA(国際自動車連盟)の世界モータースポーツ評議会で承認されている。
カートを卒業してわずか1年のマックス・フェルスタッペンが17歳でF1デビューしたことから波紋が広がり、F1統括団体であるFIAは、F1に出走するために必要なスーパーライセンスの発給要件にポイント制度を導入。これにより2016年以降は、最低18歳以上で、40ポイント以上を獲得したドライバーでなければスーパーラインセンスを取得できない。
しかし、シリーズごとに割り当てられたポイントが適当でないという批判があり、まったくポイントが与えられないカテゴリーからは不満も出ていた。
■ポイント制度の変更点
これを受けた今回の改訂では、ポイント制度に組み込まれるシリーズが増え、各シリーズに与えられるポイントも見直された。
まず、将来導入が予定されているF2と、現在最もF1に近いと言われるGP2の年間チャンピオンに与えられるポイントは、最高の50ポイントから40ポイントに変更された。これにより、ヨーロッパF3、WEC、インディカーのチャンピオンと同ポイントになっている。
ポイントが少なすぎると批判が出ていたフォーミュラ・ルノーはチャンピオンに与えられるポイントが35に増え、続いてGP3の30ポイント、日本のスーパーフォーミュラの25ポイントとなっている。
新たに組み込まれたのがDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)とWTCC(世界ツーリングカー選手権)で、チャンピオンには15ポイントが与えられることになった。
フォーミュラEはポイント制度に組み込まれてはいないが、年間チャンピオンには自動的にスーパーラインセンス取得の権利が与えられる。
■控えドライバーには柔軟に適用
一方、すでに控えドライバーとしてスーパーラインセンスを取得しているものの、規定のポイントに届いていないドライバーについては、2016年以降ライセンスを失うことが懸念されていた。例えば、ウィリアムズのスージー・ヴォルフやメルセデスAMGのパスカル・ヴェアラインなどだ。
これに対しても対応が取られ、現在スーパーラインセンスを取得しているが、F1レースへの出走経験がない控えドライバーなどについては、3年間ライセンスを保持できるとある。