2015年の空力開発でフェラーリが不正を行なっているとの疑いが持ち上がり、FIA(国際自動車連盟)が査察に入ったところ、結果はシロだった。
最初にそんな話が浮上したのは26日(火)、イタリアのモータースポーツ情報ウェブサイト『Omnicorse(オムニコルセ)』だ。きっかけは、先日行われたF1戦略グループの会合から漏れたうわさである。
『Omnicorse(オムニコルセ)』によるとメルセデスAMGは、フェラーリが米新F1チーム、ハースの2016年参戦準備に手を貸し、風洞施設の使用制限に違反しているのではとクレームをつけたのだ。
ハースの2016年型マシンはフェラーリの現行マシンがベースになっているといわれ、フェラーリの本拠地マラネロで風洞実験が重ねられている。その結果、実験で得たデータが今季フェラーリの開発プログラムにフィードバックされているのではないかとメルセデスAMGは、主張したのだ。
そこでFIAはメルセデスAMGのクレームが事実かどうか確かめるため、F1技術と競技コーディネーターのマルチン・ブドコフスキーをマラネロに派遣した。
フィンランド『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』紙の特派員ルイス・ヴァスコンセロスの記事によれば、メルセデスAMGのクレームに呼応してレッドブルとマクラーレンも懸念を表明したとのこと。FIAの査察は先週行われた。
「彼ら(3チーム)はフェラーリが第5戦スペインGPに導入した大量の改良パーツを見て、風洞の使用制限に違反しない限り不可能だと確信した」とヴァスコンセロスはいう。
さらに『Omnicorse(オムニコルセ)』のフランコ・ヌニェス記者は、次のように報じた。「彼(ブドコフスキー)が行なった査察の結果、少なくとも現行規則に照らして、ハースとフェラーリの関係に異常は発見されなかった」