レッドブルでは、現実的な目標として今季はチーム別ランキング3位に狙いを定めたようだ。
2010年から2013年まで4年連続でF1チャンピオンチームとなったレッドブルだが、昨年はそのタイトルをメルセデスAMGに奪われ、今季はさらに戦闘力が落ちてしまっている。その原因の多くは、ルノーが供給するパワーユニットにあることは確かだろう。
レッドブルの今季型車RB11は、天才デザイナーと称されるエイドリアン・ニューイ(最高技術責任者)が担当した最後のクルマだと言われている。今季は第一線から退くとされていたニューイだが、今週末のF1スペインGP(10日決勝)には、そのニューイによって大きな改良が施されたシャシーが投入される予定となっている。
そのRB11-Bとも呼ぶべきシャシーで特筆すべきなのが、超という文字が付けられるほど先端を短くしたショートノーズが採用されていることだ。
レッドブルでモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、ブラジルの『Globo(グローボ)』に次のように語っている。
「それ(新パッケージ)によって、これまでシャシーに抱えていた問題が解決されるはずだし、パフォーマンスも大きく改善されるはずだ」
「ウィリアムズと戦うことが可能となると思っている。もちろん、それにはルノーにも頑張ってもらわないとならないがね」
レッドブルの空力部門責任者であるダン・ファローズは先週、最強エンジンと呼ばれるメルセデスのパワーユニットを搭載するウィリアムズと対抗するには、ルノーエンジンの非力な部分を空力で補うしかないと語っていた。
マルコはその詳細について語ろうとはしなかったが、次のように続けた。
「我々は自分たちでできる部分に取り組んでいるということだ。もし我々のクルマにいいエンジンが搭載されていれば、我々も十分に戦うことができるだろうし、表彰台だって狙えるはずだ」
「エイドリアンがこのプロジェクトに100パーセント集中しているよ」とマルコは付け加えた。