フェラーリのチーム代表であるマウリツィオ・アリバベーネが、今週バルセロナで行われる今年2回目のF1公式シーズン前テストにおいても、まだ2015年シーズンの本当の力関係は見えてこないだろうと語った。
2014年シーズンには長年にわたって君臨してきたルカ・ディ・モンテゼモーロ前会長を始め、チーム代表や技術部門の責任者など多くの人材の刷新を断行したフェラーリ。現時点では最高のF1ドライバーと称されるフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)も離脱し、代わって4年連続F1チャンピオンであるセバスチャン・ベッテルをレッドブルから迎えたものの、2015年シーズンも苦戦を強いられるだろうというのが大方の見方だった。
だが、1日(日)から4日間にわたってヘレスで行われた最初のテストでは、フェラーリがそのうちの3日でトップタイムを刻むという少々意外な展開となっていた。
昨シーズンの最終戦アブダビGPの直後に新たにフェラーリのチーム代表に就任したアリバベーネは、今週19日(木)から今度はバルセロナに場所を移して行われる2回目のテストを前に、フェラーリ専属ジャーナリストとして知られるレオ・トゥッリーニのブログの中で次のように語っている。
「当然ながら、最も重要なテストは最後(26日から行われる3回目のテスト)のものだ」
「単純な理由として、そのときになって初めて各チームが仮面を脱ぎ捨てて、メルボルン(開幕戦オーストラリアGP/3月15日決勝)に向けて本当の手の内を見せることになるからね」
「メルセデスAMGはヘレスではそれを隠していたし、ホンダだって驚くようなことをやってのけると考えておかなくてはならない」
アリバベーネは、ヘレステストでフェラーリがトップタイムを刻んだとはいえ、慎重な姿勢を崩してはいない。
「私はかつてタバコ会社で働いていたが、誰も煙を売ることはできないからね」と笑いながら語ったアリバベーネは、次のように続けた。
「私は大きな夢を抱いているが、同時に地に足をしっかりとつけているんだ。ファンに対しては、我々が行っている努力を信じて欲しいと言いたい。それを始めたときの状況をしっかりと心に刻んだ上でね」