ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』のミハエル・シュミット記者が、現在のF1の体質を批判している。
17日(火)に、ジュネーブで行われるF1委員会の会議において新たなレギュレーション変更についての議論が行われるようだと報じられている。これは、現在のF1人気低迷を打開することを目指し、大音響を発生する1,000馬力ものエンジンの導入や、かつてのような幅広シャシーに幅広タイヤを備えたF1カーをよみがえらせることを検討しようというものだ。そうしたレギュレーションの変更に関しては、コストの問題などもあり、2017年からの導入ということで落ち着くのではないかと見られている。
だが、ベテランF1記者であるシュミットは、そうした議論が進展したとしても、F1が全体にとって価値のある変化を実現できるかどうかについては懐疑的だ。
シュミットは、最近行われた会議においても、財政的困難に直面しているフォース・インディア、ザウバー、ロータスといったチームの状況に対処するためのコスト削減や財政的支援などについては何も決定されていないと指摘。現在のF1が抱えている問題は、エンジン音の問題よりももっと根の深いものだと主張している。
「広報担当部門にその大きな責任がある」とシュミット。
「今年のシーズン前テストを見てみるがいい。ドライバーやエンジニアはまったくメディアの前には姿を現さないんだ。ジャーナリスト向けに発表されるプレスリリースや声明文では何も面白い話など書けるわけがない」
「それに、恐らくほとんどのチームが、すでにテレビのネットワークよりもインターネットにおける通信量のほうがはるかに増えていることを理解していないようだ」
そう書いたシュミットは、最後に次のような警鐘を鳴らしている。
「F1における意思決定が分散化し、民主主義的である限り、そうしたことへの危機感など生まれないだろう。なぜなら自らの利益を追求しようとする姿勢があまりにも強いからだ」