1997年のF1チャンピオンであり、歯に衣(きぬ)着せぬ発言でも知られる元F1ドライバーのジャック・ビルヌーブが、セバスチャン・ベッテルとフェルナンド・アロンソという2人のF1チャンピオンが2015年シーズンに向けてチームを移籍するという決断をしたのは正解だったと主張している。
ビルヌーブは、ホンダとの新しい時代を迎えるマクラーレンへと移籍したアロンソと、そのアロンソと入れ替わりにフェラーリへ移ったベッテルについてイタリアの『Omnicorse(オムニコルセ)』に次のように語った。
「彼らは2人とも(チームを)去ったことで、もっといい状況を迎えているよ」
ビルヌーブは、4年連続でF1タイトルを獲得したレッドブルを離れることを決断したベッテルについて、「彼はもはや(チーム内で)将来有望なドライバーとはみなされなくなっていた」とし、次のように続けた。
「彼はすでにレッドブルから必要とされていなかったし、彼らは信じるべき家族のような存在ではないんだ」
「彼らの興味はひとつだけだからね。それは、たくさんのエナジー飲料を売ることだ。だから、チームは今ではダニエル・リカルドと恋仲になったわけだ」
「彼(ベッテル)にはチームを去る以外の選択肢はなかったし、ちょうどフェラーリが組織再編をしているときに加わることになった。2015年にはまだ忍耐の時期が続くだろうが、2016年にはその結果が見えてくるだろう」
さらに、43歳となるビルヌーブは、アロンソに関してはフェラーリで5年にわたって3度目のF1タイトル獲得を目指してきていたものの、そろそろ「新鮮な空気」が必要な時期に差し掛かっていたのは間違いなかったと主張。
「彼(アロンソ)は勝つためにフェラーリに来たんだ。だが、ものごとが悪い方向へと向かってしまったとき、彼はフェラーリの人間としてとどまることはできなかった。同じことは、彼が初めてマクラーレンに加入したときにも起こったけれどね」
「僕の意見だけど、彼は(F1カーに乗って)いったんバイザーを下したときは最高のF1ドライバーだよ。だけど、クルマから降りたときの彼はチームのためじゃなく、自分のためだけに動いている」
「彼は、自分が有利になるようにインターネットやツイッターを駆使するけれど、トップチームはそういうことを嫌うんだ。特にフェラーリのようなチームでは、状況がうまく行っていないときでさえ常にドライバーを守ってきていたからね」
そう語ったビルヌーブは、次のように付け加えた。
「キミ(ライコネン)を見てごらんよ。レッドブルとは違い、フェラーリは彼にとって家族になっている」