F1のオーナー企業であるCVC(キャピタル・パートナーズ)が、F1グループの取締役として新たに3人の有名な人物を指名したことを明らかにした。
まず、今年行われた元銀行家ゲルハルト・グリブコウスキーとの汚職裁判において有罪判決を免れていたバーニー・エクレストンが再び正式にF1の取締役会に復帰している。
エクレストンは先週、『Forbes(フォーブス)』の記者クリスチャン・シルトに対して次のように語っていた。
「私は取締役会メンバーだ。自分のやることに違いが出るわけではないがね」
そして、もう1人の有名人物が元世界的酒造メーカー「ディアジオ」の最高経営責任者であったポール・ウォルシュだ。ウォルシュは、先ごろF1の会長職へ就くことを辞退したことが報じられていた。ウォルシュは今回非常勤取締役に指名されている。
そのウォルシュが、先週エクレストンと会っていたことも明らかとなっている。エクレストンは18日(木)に『Bloomberg(ブルームバーグ)』に次のように語った。
「多分、彼はもう少し多くのことをやりたかったんだろう。だが、同じ舟に2人の船頭を置くのは難しいことだ。私は彼に自分の希望を伝えたよ」
そのウォルシュに関して、『Times(タイムズ)』のケビン・イーソン記者は、「しかるべきときが来たら彼(ウォルシュ)がエクレストンの後任者となるのかどうかはまだ分からない」と書いている。
さらに、今回の発表において最も驚きだったのが、今年フェラーリの会長職を追われたルカ・ディ・モンテゼモーロが2015年にはF1の取締役として復帰するということだろう。
ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』は、今回モンテゼモーロが非常勤取締役としてF1取締役会メンバーに選出された裏にはさまざまなかけひきが行われていたと指摘している。それによれば、モンテゼモーロの後任としてフェラーリの最高責任者となったセルジオ・マルキオンネが、モンテゼモーロがF1取締役会の会長に就任することを「妨げた」のだという。
なお、F1取締役会の会長職は現職のペーター・ブラベックが引き続き務めることになっている。