F1はコスト削減をめぐって、小規模チームがボイコットを口にする事態にまで陥っている。
ケータハムとマルシャが相次いで破たんして管財人の管理下に置かれているため、F1アメリカGP(2日決勝)は18台で争われる。また、資金難に苦しむチームはさらにいくつかあると言われている。
■エクレストン「14台まで減る可能性もある」
F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、この状況にも冷静で、「14台まで減る可能性もある」とイギリスのテレビ局『Sky Sports(スカイ・スポーツ)』に語っている。
F1に小規模チームは必要かと聞かれると、エクレストンはこう答えた。
「きちんとしたパフォーマンスを発揮して、バケツを持って物ごいして回るのでないなら、必要だ」
また、メルセデスAMGも、消えた2チームに同情を見せていない。
「トニー・フェルナンデス(ケータハム・グループ会長)とアンドレイ・チェグラコフ(マルシャのオーナー)のビジネスには大きな敬意を抱いているが、F1は少し違う舞台なのかもしれない」
■小規模チームの撤退はねらい通り?
こうした態度に、エクレストンと最大株主のCVCキャピタル・パートナーズは、小規模チームの撤退を歓迎し、代わりにトップチームが3台エントリーすることをねらっているのではないかという見方もある。
フォース・インディアの副チーム代表ボブ・ファーンリーは、アメリカGP前に次のように怒りをあらわにした。
「これで2チームが消え、来年14台になるかもしれないと聞いても、商業権を握る人たちはのんびりしているように思える」
「こうなると疑問なのは、もしチームを追い出そうとしているのなら、そこにどんな構想があるのか、ねらいは何かということだ」
■アメリカGP決勝ボイコットも?
イギリスの『Times(タイムズ)』紙は、ザウバーとフォース・インディア、ロータスの3チームが、権力の不公平に抗議するためアメリカGP決勝をボイコットする危険があると報じた。
ある首脳陣は、「そうなるかは50-50だ」と明かし、次のように語ったという。
「だが、ほかにどんな手がある?」
「われわれに失うものなどないじゃないか。誰も耳を貸さない。だから、CVCに理解させるためには行動を起こす以外にないんだ。痛みを伴うだろうが、主張ははっきりする」
『Reuters(ロイター通信)』は、ロータスのチームオーナーであるジェラルド・ロペスが、話し合いの場が持たれたことは認めたものの、ボイコットについては「知らなかった」と話したと伝えている。
『BBC』も、フォース・インディアのチーム代表ビジェイ・マリヤが、ボイコットについては否定したと伝える。
しかしマリヤは、コスト削減に取り組もうとしないトップチームの「ごう慢さ」を強く批判している。
「小規模チームを支持するファンも大勢いる。そうした声を尊重すべきだ。小規模チームを当たり前のものと思ってもらっては困る」