F1第6戦モナコGPで派手な火花を散らしたルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグのメルセデスAMGコンビ。あれから二週間後、二人はまた「友人」の関係に戻ったと5日(木)、ハミルトンが明らかにした。
モナコでは頭に血が上っていたハミルトンだが、先週、話が片付いたととれる内容のつぶやきをツイッターに投稿。これには、本人によるツイートかどうか疑う者も出た。
F1第7戦カナダGPを前にモントリオール入りしたハミルトンは、報道陣に向かって次のように語った。「特に話すことはない。僕のメッセージは(ツイッターで)伝えたよ」
「僕らはレース後に会話を交わした。友だちは仲がよいときもあれば逆のときもある。僕らはすごく付き合いが長いのでね。もうとっくに終わった話さ」
5日(木)に行われたサイン会で二人は並んで座り、ファンに接していた。前の晩には、揃ってモントリオール市内でチームと夕食を共にしている。
ロズベルグはイギリス『Daily Mail(デイリー・メール)』のコラムに、こう記している。「ルイス・ハミルトンとの関係には、あまり深入りしないようにしている」
「何か起きたら必ず話し合うのが僕らの強みだ。それは僕らが14歳の頃から変わっていない」
今季、圧倒的な強さを見せるメルセデスAMGで「チーム第一の精神」を貫くため、ハミルトンとの関係を穏便に保ちたいのがロズベルグの考えのようだ。
「どんなに細かい仕事でも間違いなくやることが成功につながるとチームの誰もが分かっている。チームスピリットもそのひとつだ。今うまく行っているのも、地に足を付けて熱心に働いているからだ」
モナコGP予選後、アタックをじゃまされたとしてロズベルグを非難したハミルトン。モントリオールのパドックで報道陣に囲まれたロズベルグは、それ以来ハミルトンとの関係が「さらに難しくなった」と認めるしかなかった。
同時に彼はこうも話している。「あなたたち(記者)はこぞって戦争に仕立てようとしているね。まあ理解できなくもない。その方が話はおもしろいからね。だが、自分で火に油を注ぐような真似は避けたい」
「今週、僕は工場に出向いてみんなと話し合ったよ。彼らはとてもコンストラクターズ選手権を重要視している。もし僕らが接触して互いにレースを終えてしまったら、チームの誰にとっても大迷惑な話だ」
「結局のところドライバーもチームの一員だ。だから僕はチーム全員のことを考えるようにしている」と語るロズベルグ。
以前ハミルトンとチームメート同士だったジェンソン・バトン(マクラーレン)によると、ハミルトンとロズベルグの真の関係は舞台裏のチームスタッフにしか把握できないという。
「チームメートについて口を開くときはよっぽど注意しないとね」と、イギリス『Telegraph(テレグラフ)』紙に話すバトン。「冗談のつもりでいったはずが、通じないことだってある」
「たぶん二人は問題ないんじゃないかな。面と向かって話し合いで解決したのかもしれない」というバトンだった。