トロロッソでは、今季F1デビューを飾った若きロシア人ドライバー、ダニール・クビアトは将来のF1チャンピンだと褒めたたえている。
トロロッソのチーム代表であるフランツ・トストは次のように語った。
「そうだ。すでに彼は下位カテゴリー(GP3)での勝利によってそれを示して見せているよ。とりわけ、彼の勝ち方がよかった。彼のDNAにはレースで勝ち、タイトルを取るということが刻まれているんだ」
トストは、F1公式サイトに対し、クビアトはすでにこれまでにいくつかの短いレースにおいて将来のチャンピオン候補としての実力を示してみせていると語っている。このことで、間違いなく、チームメートであり先輩F1ドライバーであるジャン-エリック・ベルニュ(トロロッソ)へのプレッシャーが大きくなるのは間違いないだろう。ベルニュは2012年からトロロッソでレースをしてきている。
だが、トストも現時点では24歳の控えめなベルニュを擁護している。トストによれば、ベルニュは新たにF1カーに施されたフライ・バイ・ワイヤ式のブレーキに苦戦しているという。
「ジャン-エリックはかなり感受性の強いドライバーなんだ」と語ったトストは、次のように続けた。
「我々がこれ(ブレーキの問題)をうまくコントロールできるようになれば、彼もすぐに本来の才能を発揮すると確信している。彼は本当に速くて腕のいいドライバーだからね」
だが、それでもベルニュが自身のキャリアにおいて不安な時期を過ごしていることは間違いない。一時は引退したマーク・ウェバーの後任としてレッドブルへ昇格するのではないかと言われた時期もあったが、実際にレッドブルに抜擢(ばってき)されたのはチームメートのダニエル・リカルドのほうだった。
そのリカルドは現在4年連続F1チャンピオンであるセバスチャン・ベッテル(レッドブル)もしのぐほどの活躍を見せているのに対し、ベルニュはまだあどけない顔をした20歳のクビアトに対して苦戦を強いられている。
ベルニュは母国フランスの『L’Equipe(レキップ)』に次のように語った。
「多くのことが起こってきた。そしてそれは必ずしも目にみえるものではないんだ。でもこういう状況でも、僕は言い訳をすることなくそれに立ち向かっていきたいと思っている」
「決勝の結果はまだ期待したほどのレベルには達していないものの、予選では昨年よりもだいぶ感じがよくなってきているんだ」
ベルニュはさらに、自分がリカルドとペアを組んでいたときには、ふたりは非常に接近した状態だったと主張している。
「悔やんだりなどしていないよ。物事にはさまざまな理由があるものだからね」
レッドブルが自分ではなくリカルドを昇格させたことに言及したベルニュは、さらに次のように続けた。
「昨年までの2シーズンでは、僕はダニエル(リカルド)と同じパフォーマンスを示してきたし、そのことはダニエルと僕がどういうレベルにあったかということを示すものだ」
ベルニュは、次のように締めくくっている。
「予選では彼から多くのことを学んだよ。そして、レースでは僕のほうが常に差をつけることができていた」