2007年に起きたF1における産業スパイ事件として有名な「スパイゲート」の主役のひとりであった元F1エンジニアのナイジェル・ステップニーが、2日(金)の早朝にトラックにはねられ死亡した。56歳だった。
かつてロータスやベネトンなどで活躍し、ロータス時代にはアイルトン・セナの担当メカニックを務めていたことでも知られるステップニー。だが、フェラーリ在籍時代の2007年に起きたスパイゲート事件ではフェラーリの機密情報をマクラーレンに提供したとされるとともに、フェラーリ内でも破壊工作を試みたとし、チームを追われるとともに、F1からも追放処分を受けていた。
イギリスの『Mirror(ミラー)』紙が報じたところによれば、ステップニーは事故当時、高速道路の路肩に自分のバンを止めていたという。
同紙によれば、ケント州警察は「まだ理由は明らかではないが、彼は車道へと入ってしまい、そこで連結式のトラックと衝突してしまったようだ」と語ったとされている。
F1を去った後、ステップニーは世界耐久選手権やスポーツカーレースの世界で働いていた。
ステップニーが所属していたJRMレーシングは、今回の悲報に関し、次のような声明を出している。
「JRMは遺憾ながら、当社のレーシングチームにおいてチームマネジャー兼テクニカルディレクターを務めていたナイジェル・ステップニーが、今朝、交通事故により死亡したことをお伝えしなくてはならない」