複数のF1チームにエンジンを供給しているルノーは、14日(金)に同社の新型エンジンを巡る状況が深刻な状態であることを否定した。
先日行われたヘレステストでルノー搭載チームが軒並み周回数を重ねることができなかった件について、元F1チーム代表のジャンカルロ・ミナルディは、現F1チャンピオンのレッドブルが別のエンジンサプライヤーを探すことになる可能性を指摘した。
ミナルディは、ルノーが社外からも問題解決のための技術を探していると聞いたとも話している。
「こういう話が漏れてくるという事は、短期間での解決が難しい構造上の問題があることを物語っている」と、ミナルディは語っている。
しかし、ルノーのチーフエンジニアであるレミ・タフィンは報道機関向けの声明で、ルノーエンジンの問題に関する予想は大げさに報道されていると語った。
「問題は中から見るより外から見た方が大きく見えるものだ。苦しい時ではあるが、必ず乗り越えていく」
実際、ルノーはヘレスで見舞われた問題をなんとか解決したようだ。1週間前にロータスが新車E22を100kmの撮影用走行でデビューさせた際には全く問題が無かった。しかし、同じくルノーエンジン搭載のトロロッソの撮影走行はうまく行かなかったようだ。
トロロッソの問題は「驚きではなかった。マシンに何が起こっていたかは分かっていて、それでも何とかなるだろうと思っていたが、それは明らかに間違っていた」とタフィンは言う。
ヘレスで起こった問題はハードウエアとソフトウエア両方だったが、19日(水)に始まるバーレーンテストでは「同様の問題はゼロ」になるとタフィンは自信を持っている。
だからといって保証があるわけではない。タフィンは、ルノーがまだソフトウエアの問題に取り組んでいることを認めた。
「すべてを同時にこなそうとしているが、時には優先順位をつけなくてはならないため、同時にすべてが解決するという状態は非常に難しい」
また、ルノーが明らかに開発スケジュールから遅れていることを認めながらも、追いつくのに「数ヶ月」を要する事はないとタフィンは否定しており、パワーユニットの実際のパーツはすべて問題なく動いているとも強調した。
「本来最初のテストであるべき所までは追いつくことができた。だから3週間遅れと言ってもいいかもしれない。だが我々は既に失った分を取り戻すためのプランに着手している」
そんな中、F1チャンピオンのセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が、現状ではメルセデスのパワーユニットを搭載したチームが有利と見ていることを明かした。
「メルセデス搭載のマシンはヘレスでどれも強そうだったね」とベッテルは『Bild(ビルト)』に語っている。
「でも全然驚かないよ。だってメルセデスが新しいパワートレインにかなりの時間と努力を費やしていたことは知っていたからね」とベッテルは付け加えた。