F1最高責任者のバーニー・エクレストンが、いろいろと批判の対象となることの多いフェラーリの新たなドライバーラインアップを支持する発言を行った。
フェラーリ会長であるルカ・ディ・モンテゼモーロさえも、誰もが「ナンバー1」ドライバーだと認めるフェルナンド・アロンソと、2007年のF1チャンピオンであるキミ・ライコネンを競わせるのは大きなリスクをはらむことになるだろうと考えている者が多い。
モンテゼモーロは、最近次のように語っていた。
「だが、私は70年代序盤からここにいる。そして、F1ではそうしたリスクを受け入れる必要があることも分かっている」
エクレストンは、常にF1のトップドライバーたちがいくつかの競争力のあるチームに分散しているほうが好ましいと考えている。だが、そのエクレストンも、F1でも最も有名なチームであるフェラーリで、アロンソ対ライコネンという構図ができるのは「面白い」ことになるだろうと考えているようだ。
「私はフェラーリが2013年にタイトルをとるのではないかと思っていた。なぜ彼らに競争力がなかったのか、私には説明できないよ」
イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』にそう語ったエクレストンは次のように付け加えた。
「アロンソは、いずれにせよ、うまく走らせていた」
また、アロンソがシーズン中盤にフェラーリ批判を行ったのは正しいことだったか、と尋ねられたエクレストンは、「そうだ」と答えている。
だが、そのことでアロンソはモンテゼモーロのしっ責を買うことになったとともに、フェラーリがアロンソのお気に入りのチームメートであったフェリペ・マッサに代えてライコネンを2014年のドライバーに据えたことは、フェラーリがアロンソ離れをしようとしていることを表すものではないかと考える者も少なくない。
「もうその騒ぎも収まったし、2014年には違うフェラーリを見ることになるだろう」
そう語ったエクレストンは、次のように続けた。
「アロンソとライコネンというのは、エンツォ・フェラーリ(フェラーリ創設者)だったら喜んだであろう面白い組み合わせだね。この2人は面白いことになるだろう」
「もし、キミが2013年に何度もやってみせたような走りを見せれば、それはアロンソにとって刺激になるだろう。だが、フェラーリに本当に必要なのはいいクルマだ。そうでなければ、話にもならないよ」
エクレストンは以前、最もよい新V6エンジンを持つものが2014年のタイトルを勝ち取るだろうと語っていた。だが、同時に「運」も大きな役割を果たすだろうとも考えている。
「最高のドライバーがタイトルを得るという保証は何もない。タイトルは最も幸運なドライバーの手に渡るだろうね。現時点では、誰がそうなるかは分からないよ」