2013年F1前半戦で、チーム史上まれに見るスランプにあえいでいるマクラーレン。スタッフをクビにすべしとの主張もあるが、これにスポーティング・ディレクターのサム・マイケルが反発した。
2.4リッターV8自然吸気エンジン最終年の今シーズンに大胆なデザインの新車を投入したが、マクラーレンほどの大チームが、あろうことか同じメルセデスのパワーユニットを使うフォース・インディアに後れを取るありさま。これでは、もはやビッグ4の一角と呼べない状況だ。
去る2011年、当時不振を極めていたウィリアムズを脱退してマクラーレンに入りしたマイケル。解雇のような大幅なチーム人事が話題になる事態について、次のように『Sky(スカイ)』へ語っている。
「何よりもまず、慎重な姿勢が求められるね」
「第一に、誤った人材を解雇しかねない。第二に、今年のマシンを担当した人間は当社のだいじな一部であると同時に、彼らもすべてを投げうって働いている」
「とても優秀なエンジニアやデザイナーであり、過去に優れたマシンを生み出しているんだ。今季マシンを修正するには彼らが最適だよ。そしてこれからも素晴らしいマシンを作ってくれるだろう」
失敗作MP4-28の「修正」は切実な問題だ。もう2013年は捨てて規則の大改正が待ち受ける2014年に集中すべきとの声も鳴りやまない。
16日(日)、ドイツ・ベルリンのアイアンマンレースに出場したチームのエースドライバー、ジェンソン・バトンは、大会前『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌にこう語っていた。「2014年マシンが様変わりするとはいえ、まずは現行マシンを理解しないと来年の進歩はないよ」
「それに今年だってレースに勝ちたいんだ」
「それはマクラーレンに働く者共通の願いだよ」
新たなスタートを切るにしろ、ただ2013年を「切り捨てれば」よいというものではないとマイケルも言う。
「どう転んでも今年を無かったことにはできない。何があってもマシンの改良は続けるし、最後まで好結果めざして努力を続ける」
「マシンの開発サイクルについては、ほとんどのチームにとって自然と8月の(工場)休業期間を終着点とし、以降は2014年にすべてを注力するだろう」