イタリアのメディアは、F1バーレーンGP(21日実施)でのセバスチャン・ベッテル(レッドブル)の復活を絶賛した一方で、反撃のチャンスを失ったフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)の不運を嘆いた。
『Tuttosport(トゥットスポルト)』は、レース序盤に発生したDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)のフラップの不具合について触れ、「アロンソのクルマは壊れていたが、奇跡的に8位入賞を成し遂げた」と報じた。
「しかし、圧巻だったのはベッテル」と同紙は続けた。
「ベッテルは才能をいかんなく発揮し、ライバルたちとのバトルとは無縁の独走体制を築いた」
「もし彼が野ウサギのようにすばしっこく逃げられるのなら、誰も追いつくことはできない。今回、アロンソのクルマは戦闘力を失い、ロータスもすっかり置き去りにされた」
『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』も、2度に渡ってアロンソのクルマに生じたDRSの不具合とフェリペ・マッサ(フェラーリ)のタイヤに起きたトラブルに言及し、「フェラーリがバーレーンで遭遇した不運の数々は、一度にそうそう起こるものでは無い」とフェラーリの不運を嘆いた。
イタリアで最大の発行部数を誇る『La Repubblica(レプブリカ)』も、F1マレーシアGP(3月24日実施)で起きた「マルチ21」騒動から数週間しか経っていないにもかかわらず、先頭でレースを見事にコントロールしたとして、ベッテルを称賛した。社説では、「精神的ダメージを与えるためにライバルたちが彼を非難すればするほど、ベッテルの反撃は激しさを増して返ってくる」と称え、「余裕の勝利だった」と書かれている。
しかし、『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』は、「アロンソは不運に見舞われ、8位は残念な結果だったが、フェラーリに大きな可能性があることを証明した」と結論づけた。
ドイツの『Die Welt(ディー・ヴェルト)』紙によると、アロンソ自身もこれと同意見のようだ。
「DRSのトラブルさえ無ければ、1位か2位でフィニッシュできていただろう。なぜなら、ここ4年間で、クルマは最高の状態にある」とアロンソは語っている。