F1チーム間の紳士協定、いわゆる「予算制限協定」の未来に暗雲が垂れ込めている。
世界的な不況を契機に、予算の上限を決めようと始まったチーム同士の話し合いは、これまでも舞台裏で進められてきた。多くのチームは、F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)の関与を増やして、予算制限をルールとして規定することを望んでいる。
しかし、FIA会長のジャン・トッドは、ルールとして規定することはもちろん、現在あるチーム間の取り決め自体の将来に疑問を投げかけた。トッドは、F1開幕戦オーストラリアGP(3月17日決勝)のために、15日(金)にメルボルンに姿を見せている。
「F1はコストがかかりすぎると私も思う」とトッドは『Financial Times(フィナンシャル・タイムズ)』に語った。
しかしトッドは、「多くのチームはコスト削減より、競争できる権利のほうを望んでいる」と続けている。
「チームが賢明な取り組みをすることで、コストが削減されることを願っている。しかし、それは全員が同意しなければならないような問題ではない」
「われわれは統括団体だ。チームがコスト削減を望まないなら、それまでだ。望まないことをチームにさせる義務はない」
トッドは、FIAの経済状況には満足げな様子を見せた。F1最高責任者バーニー・エクレストンと結んだ新たな合意によって、チームから徴収する参戦費を値上げしたためだ。
トッドは、その合意がFIAにとって「良いものになる」と話している。
しかし、2013年の開幕はFIAにとって良いものとはならなかったようだ。レースで審判役を務めるスチュワードは、FIAのロゴが入った白いシャツを着るが、それをFIA本拠地のあるパリからオーストラリアへ郵送したところ、途中で行方不明になってしまったと『Speedweek(スピードウィーク)』が伝えている。