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ピレリ、今季F1タイヤの摩耗は「極端」ではない

2013年02月22日(金)18:21 pm

現在、スペインのバルセロナで2回目のF1公式シーズン前テストが行われているが、F1関係者の間では、日を追うごとに2013年仕様のピレリタイヤに関する懸念の声が大きくなってきている。

最近話題にあがったのは、ピレリの新型スーパーソフトタイヤのパフォーマンスに関するものだったが、F1チーム全体にとって意外だったこのスーパーソフトが、来月メルボルンで開催される今季の開幕戦F1オーストラリアGP(3月17日決勝)で使用されることになっている。

ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によれば、ウィリアムズのパストール・マルドナードが21日(木)にスーパーソフトを装着してテスト走行をしたものの、予期せぬ形で激しい性能低下が起こるばかりでなく、一段階硬めのソフトタイヤよりも遅かったという。

だが、実際には、この段階で2013年シーズンには10回ストップ戦略も必要になるのではないかとパニックに陥る必要もなさそうだ。

マクラーレンのセルジオ・ペレスは今週、新しいピレリのタイヤは「極端な」性能低下が起こると指摘していた。しかしペレスは、「昨年もタイヤに関してはすごく心配していたけど、気温の高いメルボルンに行ったら、すべてが普通の状態になったよ」と語っている。

現に、F1ドライバーたちは昨年の最終戦F1ブラジルGPのテスト走行の際に2013年仕様のタイヤをテストしていたが、そのときは、慌てたような声は上がらなかった。

マーク・ウェバー(レッドブル)も、「だから、僕たちも楽観視しているよ。メルボルンのもっと暖かいサーキットでは、クルマの滑りも少なくなるだろうし、ここで見たような劇的なグレイニング※は起こらないと思うよ」とコメントしている。

ロータスのロメ・グロジャンは、バルセロナで21日(木)に4回ピットストップを想定したレースシミュレーションを行っていたが、ウェバーはレースシミュレーションを実施した際に、5回ピットインすることを余儀なくされていた。

だが、ピレリのモータースポーツ責任者であるポール・ヘンベリーは、メルボルンではもっと気温が上がることに加え、各チームも実際に2013年シーズンが始まれば、さらに賢くタイヤを使えるようになるだろうと考えているようだ。ヘンベリーはブラジルの『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』に次のように語った。

「われわれとしては、メルボルンでのピットインは2回か3回になるはずだと想定している」

また、ピレリのレーシングマネジャーであるマリオ・イゾラも、スペインの『El Pais(パイス)』に対し、バルセロナで次のように述べている。

「ペレスは怖がり過ぎだよ」

「われわれがやってきたことは、もう少しレースの見せ場を増やそうということだ。だが、何も劇的なことはやっていないよ」

ペレスのチームメートであり、2009年度のF1チャンピオンであるジェンソン・バトン(マクラーレン)も、バルセロナで次のようにコメントしている。

「ここで僕たちが抱えたタイヤの問題というのは、こういうコンディションでは普通のことさ」

「バルセロナは路面が粗い上に、高速コーナーがあるし、気温も低いからね。当たり前だよね?」

「ピレリだって、冬のテストに合わせてタイヤを造るわけにはいかないよ」とバトンは締めくくっている。

※グレイニングとは、主に低温の路面を走行することによってタイヤの表面がささくれだつ現象。

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