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レッドブルの技術責任者、2012年F1シーズンを振り返って

2013年01月21日(月)8:16 am

FIA(国際自動車連盟)がF1シーズン開幕前の土壇場になって取った行動で、レッドブルは2012年の準備に大きな支障が出ていた。これは、技術責任者のエイドリアン・ニューイが認めたものだ。

レッドブルは昨年冬、最終的にチャンピオンマシンとなったRB8(2012年型車)の実走テストを始めようとしていた。ところが、このほど明らかになったところによると、F1を統括するFIAは、禁止されたばかりのブロウン・エキゾースト(排気ガスを空力に応用するパーツ)に代わる新機軸を編み出したニューイに待ったをかけたのだ。

ニューイは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌にこう語る。「あのせいで、われわれは予想以上の痛手を受けたんだ」

「新しい規則を見たときは、それほど影響がないと思われた。それどころか、うまいこと補えたと考えたぐらいだ」

ところがFIAは、レッドブルが考案した2012年バージョンの排気システムを禁止したのだ。

「時間が無かったので、しかたなくエンジンカウルの下にあるエキゾーストを従来型に戻して、最初のテストに臨んだのさ」とニューイは明かした。このような舞台裏のドタバタを通じてレッドブルは、新たに例の“コアンダ”効果に取り組むようになったのだ。

ニューイによると2012年に禁止されたシステムは、リアタイヤ(後輪)のブレーキダクトが排気ガスを吸収するという画期的なものだったという。

「リアサスペンションの後方部分に規則の抜け穴があった。それにより、排気ガスを集めて好きなところへ持っていくことが可能だったんだ」とニューイは語る。

ところが、FIAは慌てて抜け穴をふさいでしまった。おかげでレッドブルは、2012年F1開幕に向けてマシンバランス探しに、ほん走したわけだ。

「確かにバランスを見いだすのは難しかった。ときにアンダーステアとオーバーステアが同居する事態となったんだ」

このようなFIAによる新案への執ような妨害は目に余るものがあると、ニューイは考えている。

「新しいアイデアを生み出したときに歯止めがかけられないよう、注意する必要があるね。F1の良いところは、ひと対ひとの戦いであるのと同時に、クルマとクルマの争いでもある点なんだ」

「ひとつに関心を寄せると、必ず何かが生まれる。ところが、規則が厳しくなればなるほどF1はF1でなくなり、代わりに“GP1”化するのさ。そんなこと誰が望むんだい?」

「F1で技術作業グループの会合に出席すると、私と同じ立場であるはずの技術者たちが、さらなる規制を訴えたりして驚くよ」とニューイは締めくくった。

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