メルセデス・ベンツのモータースポーツ部門責任者であるノルベルト・ハウグが、2010年シーズンからワークスチームとして運営してきたメルセデスAMGの成績不振により、現在の職を離れることを認めた。
ドイツの『Bild(ビルト)』のインタビューで、ハウグは自分が犠牲者になったとの見方は否定している。
「いや、そういう事実はない」と話したメルセデス・ベンツ・モータースポーツ副社長を20年以上務めてきたハウグは自分が犠牲になったとは考えておらず、こう続けていた。
「過去3年間のメルセデスAMGの成績不振に私が何も関わっていなければ、今年のF1中国GP優勝にも何の関わりもないことになる。そんなはずはないだろう」
そして、ハウグが更迭されてチーム代表のロス・ブラウンがクビにされない理由をこう明かしている。
「この22年間、メルセデスのモータースポーツ部門の責任者を務めてきたのは私だ。ロス・ブラウンではない。私はロスの上司なんだよ」
そしてハウグは、責任者として責任をとることを受け入れたという。
「クルマそのものはいい出来だった。しかし、改良は悪かったか、ひどく悪かったと言えるね」
そう話したハウグは、一部で報じられていた健康上の理由による離職を否定した。
「おかげさまで、健康上の不安はない。メルセデスAMGが誕生したあとに甲状腺の手術を受けたが、その後の経過は非常に良好だ。私はまったくの健康体だよ」
ハウグはDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)とF1の両方を受け持っていたが、今後この2つの職務がどうかは分からないと言う。
「何の情報もないんだ。私以上にうまく仕事ができる誰かがいるのだろう」
後任人事へのかかわりを否定しながらも、ミハエル・シューマッハやラルフ・シューマッハ、ミカ・ハッキネンのような元F1ドライバーがハウグの後任になることはないと断言している。
「彼らドライバーたちがオフィスワークにむいているとは到底思えないよ」