2012年のチャンピオン争いはF1最終戦ブラジルGP(11月25日決勝)で決着を迎えるが、ランキング2位のフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)はまだ諦めていない。
現在ランキングトップのセバスチャン・ベッテル(レッドブル)は、アロンソに対して13ポイント差をつけているが、13は欧米で不吉とされている数字だ。
「それが幸運をもたらすかどうか、7日後のサンパウロで見てみよう」とフェラーリは第19戦アメリカGP後(11月18日決勝)のプレスリリースで述べている。
しかし、インテルラゴス・サーキットで行われる最終戦に向けて、この差はベッテルにとって非常に大きなアドバンテージだ。マシン性能でレッドブルに劣るアロンソがブラジルGPで仮に優勝したとしても、ベッテルは4位に入ればチャンピオンになれる。
「紙の上では可能性はそれほどないかもしれない。25パーセントくらいかもね」とアロンソもアメリカGP後にはレース前より低いパーセンテージを口にした。
「でも心の底では、(可能性は)それよりもっと高い気がしている」
「インテルラゴスでは何でもあり得る。それに、信頼性がいかに重要か、今回も目にしたよね?」
アロンソが指摘したのは、ベッテルのチームメートであるマーク・ウェバーがアメリカGPで今年3回目となるオルタネーター(発電などを行うパーツ)の不具合でリタイアしたことだ。
また、1週間後のブラジルの天気予報は雨と出ている。
「もしドライで普通のレースなら、明らかにレッドブルが誰よりも前で、僕たちは3列目か4列目だと予想できる。だから、不確定要素が多いほど、僕たちにとってはいいのさ」とアロンソは語った。
レッドブルの若手育成プログラム育ちで昨年まで姉妹チームのトロ・ロッソに在籍していたハイメ・アルグエルスアリは、同じスペイン出身のアロンソと同じように、ベッテルのタイトル獲得は容易ではないと見ている。
タイトルはもう決まったも同然かと聞かれたアルグエルスアリは、『Mundo Deportivo(ムンド・デポルティーボ)』にこう語った。「一番のクルマについてはそうだ。でも、一番のドライバーについては違う」
「ブラジルは、ベッテルにとってすごくやりにくく、フェルナンドにとってすごくやりやすいだろう」
「ベッテルにとってチャンピオンは、失う一方だ。だって理論上はもう獲得しているんだから。でも、理論で10ポイントは取れない」
「フェルナンドは、31歳で11年間経験があり、F1を知っている。もう現実に2番手なんだから、あとは勝つだけだ」
「トップスポーツにかかわってきた者なら、リードを守ろうとすると物事がおかしくなるということを知っている。そして、失う物がない時には、いかにうまくいくものかもね」
「だから、ブラジルはすごく面白い見物になるよ」とアルグエルスアリは語った。