2008年のF1ワールドチャンピオンであるルイス・ハミルトン(マクラーレン)を2013年からチームメートに迎えるニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)が、ハミルトンの決断を擁護している。
幼いころからマクラーレンの育成プログラムに参加し、秘蔵っ子とまで呼ばれたハミルトンは、トップチームであるマクラーレンを離れることを決断。移籍先に選んだのは、今季終盤において不調が続くメルセデスAMGだったため、あまり賢い選択ではなかったとの声も上がっている。
メルセデスAMGの調子が上がらない理由を、ロズベルグはこう説明する。「実は、風洞の縮尺を50パーセントから60パーセントに変更したんだ」
「すごく複雑な作業だったけれど、そのおかげで2013年にはもっと強くなれるはずだよ」
ハミルトンのメルセデスAMG移籍に対する感想を聞かれたロズベルグは次のように答えている。「ぜんぜん驚かなかったよ。チームが契約可能なドライバーの中でも、最高の選択だった」
ロズベルグのこの発言は、ハミルトンのメルセデスAMG移籍劇の裏側を示している。つまり、マクラーレン離脱を願ったハミルトンが移籍先にメルセデスAMGを選んだのではなく、マクラーレンの契約から自由になったハミルトンをメルセデスAMGが選んだ、ということだ。
「ハミルトンは長期的な視野で考えているんだ。うちのチームは強いし、どんどん進化している。いつか大きな花を咲かせるよ」
「いつか」、とロズベルグが言うように、ハミルトンも移籍直後の活躍を期待していないと認めており、来シーズンに1勝できるか分からないといった発言もしている。
カートでレースをしていた少年時代にチームメートだったハミルトンのこの発言について、ロズベルグは笑顔でこう話している。「ハミルトンは、すごいことをやるための余地を残しているんじゃないかな。どっちにしても、僕は新聞で報じられる誰かの発言ってものは信じないことにしてるんだ!」