マーク・ウェバー(レッドブル)とジェンソン・バトン(マクラーレン)が、今シーズンのタイトルを獲得する可能性は極めて低くなっているが、2012年の残りのレースに向けての両者の目標は大きく異なっているようだ。
現在ポイントランキングでトップに立っているフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)はこれまでに194ポイントを稼いでいる一方、ウェバーとバトンのポイントは、それぞれ134ポイントと131ポイントとなっており、アロンソに大きく差をつけられている。残りが5レースということを考えるとタイトルへの挑戦は現実的にかなり厳しい状況になってきている。
バトンは基本的にはタイトル争いをすでに諦めているが、そのバトンをわずか3ポイントだけリードしているウェバーは今でも懸命に攻めている。
「攻めるよ。それがゴールさ」とウェバーは今週末にレースが開催される韓国で語った。
トップのアロンソから60ポイントの大差をつけられている上に、今シーズンも残り5レース。このため、ウェバーにとっての懸命な戦略は、アロンソを4ポイント差で猛追しているチームメートのセバスチャン・ベッテルを援護することではないかと考えている関係者もパドックの中にはいることだろう。
これに関して韓国で質問されたウェバーは次のように答えた。
「僕には勝利が必要だ。だから、それが僕の目標だ。僕は攻めるためにここにいるんだ」
そして「セブ(ベッテルの愛称)と僕の間であった、鈴鹿(日本GP開催サーキット)でのちょっとしたバトルは良かったね。彼はQ3で本当にいい仕事をした。僕たちはとてもうまくやったし、僕自身のためにもできるだけ力強く今シーズンを締めくくることを目指しているんだ」と攻めの姿勢を貫くことを強調した。
一方のバトンは、自身のタイトルに向けたプッシュはほぼ終わってしまっていると認め、次のように続けた。
「コンストラクターズ(チーム部門)選手権は間違いなく射程距離にある。それが大きな目標だと思うよ。ポイントをまじまじと眺めるのは、レースを終えてクルマから降りた後のほんのわずかな時間だけさ」