ルイス・ハミルトンは、ジェンソン・バトンと共にマクラーレンで過ごした3年間で、バトンから何も学ばなかったという。
ハミルトンとの契約交渉を進めているマクラーレンのチーム代表マーティン・ウィットマーシュは、ハミルトンとバトンの2人が「お互いから学ぶことができるから、いいコンビだ」と評したとされている。
しかしハミルトンは、スペイン紙『El Pais(パイス)』に「僕が何かをジェンソンから学んだかどうかもわからないのに、なぜマーティンはそんなことが言えるんだろう」と語った。
「フェルナンド(アロンソ/2007年のチームメート)からは学んだけど、ジェンソンからは特別学んだとは思わない」
先日ハミルトンがマシンの走行状態が詳細に分かるテレメトリーデータをツイッターで暴露してしまった件で、バトンがハミルトンに苦言を呈しており、今回のコメントは2人の間に溝ができている可能性を示唆するものだという関係者もいる。
微妙な雰囲気は、ポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)がハミルトンの父、アンソニーとのマネジメント契約を打ち切り、バトンを担当するマネジメント会社と契約した事もかかわっているかもしれない。
ツイッターの件についてハミルトンは、「チームメートやチームに反抗するつもりはなかったんだけど、ファンに分かって欲しかっただけなんだ。今はなぜしてはいけなかったかも分かっているし、二度と同じことは繰り返さないよ」とコメントしている。
『El Pais(パイス)』紙はハミルトンに、元チームメートのアロンソがフェラーリで自分中心のナンバー1体制を敷いていることをうらやましいと思うか、と質問した。
ハミルトンは、「いや、それはないね。僕はそういうチーム体制で走る必要も、希望もないよ。チームメートと競争できるようなところが良いんだ」と答えている。
しかし、ほかのチームへ移籍する事も考えていると認めた。
「自分がキャリアを始めたチームで終えられれば良いんだろうけど、いったん契約が切れたらほかにどんなチャレンジや機会があるか見回すでしょう。それは良いことだと思うよ」
ところが、3度のF1チャンピオンに輝いた伝説のドライバー、ジャッキー・スチュワート卿は「もしメルセデスに行くなら、もちろん良い会社だとは思うが、役員会でモータースポーツ事業撤退を5分で決定できるだろう」と話し、マクラーレンに残留するべきとハミルトンに忠告している。