イタリアGPを謹慎中のロメ・グロジャン(ロータス)。モンツァのパドックではグロジャンの話でもちきりだ。
先週末のベルギーGPでスタート直後に起きたアクシデントの引き金を引いたとして1レース出場停止となったグロジャンだが、もうひとりF1の統括団体FIA(国際自動車連盟)が目をつけているのは、今季、危ないドライビングが目立つパストール・マルドナード(ウィリアムズ)だ。
9日(日)のイタリアGP決勝には、10グリッド降格の処分も待ち受けている。
「今年の競技委員たちは厳しい気がするな。僕にだけじゃなくて、全体的にね」と、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に語るマルドナード。
「ドライバーは彼らの裁定を尊重すべきだし、順応しなきゃね」
グロジャンとマルドナードについてF1関係者に話をきくと、異口同音に「攻撃的」との反応が返ってくる。
マルドナードはこう反論する。
「それが僕の個性だからね。好き嫌いはあって当然だろう」
「“今後はこんなスタイルを取り入れよう”とか“ここを変えよう”って思うのは難しいよ。でも、より思慮深く、状況を判断できるようにならなきゃとは考えている」
ある者はグロジャンの処分を重いと言い、またある者は妥当と言う。しかし、あのような事故を無くそうと厳しくルールを適用するFIAには誰もが同調する。
ベルギーGPで優勝したジェンソン・バトン(マクラーレン)はF1公式サイトで次のように話している。「そうだね、今年は確かにドライバーのミスが多い。モータースポーツ最高峰のレベルで起きてはいけないミスだ」
「いかに技術の粋を集めたF1でも危険なものは危険なんだと、厳しい姿勢をみんなに見せるのは必要かもしれないね」
好むと好まざるとにかかわらず、コックピット保護を追究する姿勢は必要不可欠なところまできている。
これについて、F1界の意見は分かれる。
ミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)は、ドライバーの前方を囲むロールケージあるいはキャノピー(天窓)といった防御策導入が将来のF1だとドイツのマスコミに語っている。
セバスチャン・ベッテル(レッドブル)はそこまで積極的ではないが、反対もしていない。「これはもう仕方ないかもしれないね」
「正直、好きにはなれないけど、誰かが自分に向かって飛んでくると考えたら、コックピットは閉まっていたほうが良いに決まってるよね」
「クローズドのコックピット導入は時間の問題だよ」