破産手続き中のニュルブルクリンクの関係者は、同サーキットで来年行われる予定であるF1ドイツGPの開催費を支払うことができないと認めた。
現在のドイツGPは、ホッケンハイムとの隔年開催であり、2013年はニュルブルクリンクで行われる予定である。しかし、ニュルブルクリンクは深刻な財政状態を改善できず、先月破産手続きに入った。
先週、ニュルブルクリンクのあるラインラント・プファルツ州政府が融資の保証人になることに同意したため、ニュルブルクリンクは現在抱えている負債を返済できるようになり、生き残りをかけるサーキットの今後に明るい光が差したかのように見えた。
サーキット運営会社ニュルブルクリンク・オートモーティブGmbH(NAG)のヨルグ・リンドナー代表も、「F1が来年もニュルブルクリンクで開催されることを楽観視している」とあくまで前向きであった。
リンドナーはまた、今夏中にF1の最高権威であるバーニー・エクレストンとの話し合いを行うとも話していた。
エクレストン本人も、「どのサーキットも失いたくないし、ドイツで開催されるレースを残す必要がある」と述べており、そのために「最善を尽くす」と誓っていたほどだ。
しかし、この問題に携わっているニュルブルクリンクの開発部長トマス・シュミットは、エクレストンがF1レースの開催費を大幅に軽減させるか、もしくは免除しない限り開催は不可能であると明らかにし、新たな解決策を模索中である。
シュミットは『DPA通信』へ次のように語った。
「現状において、ニュルブルクリンクに開催費を支払えるだけの能力はない」
「もし、エクレストンがこのF1特有の高額な開催費を免除してほしいという私どもの提案を受け入れてくれるのであれば、間違いなく来年もF1を開催する」
「ただ単に今のわたしたちには、グランプリを開催できるだけの資金がない」とシュミットは資金繰りが非常に厳しい状態にあることを認めた。
また、シュミットは最終的に解決策が見つかることを「確信」している一方、ニュルブルクリンクが生き残るためにF1が「必ずしも必要とは限らない」と警告している。