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ピレリ、タイヤ戦争はF1に良くないと主張

2012年08月07日(火)13:54 pm

ピレリのモータースポーツ責任者ポール・ヘンベリーは、F1が再び「タイヤ戦争」の時代に突入することは良くないことだと考えている。

最近ささやかれているうわさによると、F1の統括団体であるFIA(国際自動車連盟)の会長を務めるジャン・トッドは、フランスのタイヤメーカーであるミシュランのF1復帰を望んでいるようだ。だが、ミシュランはライバルメーカーと争う環境がある場合のみ、F1に再び参戦すると述べている。

ミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)は、タイヤ戦争がレースでの「素晴らしいタイヤ」を保証してくれるはずだと発言していた。だが、ヘンベリーはこれに断固反対している。

ちなみに、ピレリがF1と結んでいるタイヤ単独供給の契約は今年いっぱいで満了を迎える。

ヘンベリーはブラジルの『Globo Esporte(グローボ・エスポルチ)』に対し、「ルールがどのように変更されるかを見守ってみよう」と語った上で、「もしそう(タイヤ戦争に)なったら、どうするべきかを考えよう。各チームともにタイヤ戦争にはまったく興味を持っていない」と強調した。

ピレリも各チームと同様に、タイヤ戦争に興味がないのは明らかだ。

「安全性の問題がある。タイヤ製造会社たちは安全性の限界を追求していくだろう。それがパフォーマンスを得るための手段だからだ。そして(2005年の)インディアナポリスで何が起こるかを目撃した」

ヘンベリーは、ブリヂストンとミシュランが熾烈(しれつ)なタイヤ戦争を繰り広げていた2005年のアメリカGPを引き合いに出していた。そのアメリカGPのフリー走行と予選でミシュランタイヤに安全性の問題が発覚。それが理由で、決勝レースでミシュランタイヤを装着していたすべてのチームはフォーメーションラップを終えるとガレージへ引き上げる事態となった。そして、ブリヂストンタイヤを使用していた3チームだけでレースが行われ、大きな批判を招くことになってしまった。

「それが(タイヤの)供給元にとっていいことだとは思わないし、F1にとっては間違いなく良くない」とヘンベリーは指摘し、次のように続けた。

「0.5秒を削るためにばく大な資金を費やすことになるし、それでも最高のタイヤを持っていることを証明したことにはならない。なぜなら、結局のところ勝利を手にするのはチームだからだ。それでは意味がない」

「タイヤ戦争があったとき、どのチームがどこのタイヤを使っていたかなんて、誰も覚えていいない。観客が見ることができないパフォーマンスの部分にすべてのカネが使われていたんだからね」

「私が話をしたどのチームも、それを望んではいない。彼らはそれがカネの無駄遣いだと考えている。自分たちがコントロールできない分野の上、観客に対しての価値というのも限られているからね」

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