マーク・ウェバーとの契約延長を発表したばかりのレッドブルだが、契約延長発表前には、2013年のドライバーラインアップ決定時期を8月だとしていた。
ウェバーについては、友人であるフェルナンド・アロンソが所属するフェラーリへの移籍も取りざたされていた。ウェバーの契約延長発表前に、ウェバーのフェラーリ加入に関してアロンソは「分からないな。(移籍は)空想の話だと思うよ」と話した。
イギリスGP終了後に来年の去就を決断すると言われていたウェバーの、契約延長発表前の発言をオーストラリアの『The Age(エイジ)』が伝えている。
「もうすぐ(来年の去就を)決めるよ。親しい人たちと話をしていて、(イギリスGP)の週末のうちにさらに話を進める」
ウェバーの2013年の去就として報道されていたのはレッドブル残留説とフェラーリ移籍説だった。レッドブルの首脳陣が繰り返しウェバー残留を希望する発言をしていたのに対し、フェラーリのチーム代表ステファノ・ドメニカリはウェバーの移籍について口を閉ざしていた。
レッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコは、レッドブルのドライバーラインアップについて、F1が夏休みに入る8月は話題の中心になるだろうと語っており、『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』はマルコの発言を次のように報じていた。
「2013年のドライバーについては、8月に決定する」
ウェバーの母国オーストラリアが生んだF1チャンピオンのアラン・ジョーンズは、以前にフェラーリ移籍を勧めていたが、先日はレッドブル残留のほうがよい選択肢であると『AAP通信』へ語っていた。
「新鮮なスタートを切るため、また、キャリアの序盤ではなく終盤に差し掛かってきた今であれば、元フェラーリドライバーの肩書が履歴書に載っていた方がいいのだから、フェラーリ移籍を考えてはどうかと何ヶ月か前の私は言っていたね」
フェラーリ移籍を勧めていたことを認めながらも、ウェバーがイギリスGPでシーズン2勝目を挙げるなど、レッドブルが上位に返り咲いた姿に、レッドブル残留がウェバーにとって最良の選択であるとジョーンズは考え直したようだ。
「ウェバーを手放すとすればレッドブルは愚かだし、ウェバーは今のチームに残るほうが賢い。(イギリスGPの)週末を終えて、ウェバーはより強気で交渉に臨めたのではないかと思うよ」
日本時間10日(火)にレッドブルとウェバーの契約延長が発表になっており、ウェバーの言葉通り8日(日)に決勝が行われたイギリスGPの期間中に話し合いが行われた可能性もある。ウェバーがジョーンズに相談を持ちかけたどうかは不明だが、母国が生んだ最後のチャンピオンの言葉は、ウェバーの決断にいくらかの影響を与えたのかもしれない。
なお、ウェバーは契約延長発表後のインタビューで、フェラーリとも交渉していたことを認めている。