メキシコがF1カレンダーに復帰するには、まだやるべき準備が多く残されている。メキシコのF1誘致に深くかかわっている大富豪カルロス・スリムが明かした。
先月、2013年からバレンシア(ヨーロッパGP開催地)に代わって、メキシコ・シティにあるエルマノス・ロドリゲス・サーキットでF1が開催されると報じられた。エルマノス・ロドリゲス・サーキットで最後にF1が開催されたのは1992年だ。
スペインのスポーツ紙『Marca(マルカ)』による当初の報道では、今シーズン目覚ましい活躍をしているセルジオ・ペレス(ザウバー)を支援している多くのスポンサー企業によって、メキシコGPが20年ぶりに復活するとのことだった。そして、その複数のスポンサー企業の中にはスリムが経営する大手通信企業テルメックスも含まれている。
だがスリムは、『Marca(マルカ)』に対して今週、このニュースが必ずしも正しくはないと語った。
「F1の開催を実現させるにあたって、多くの不確定要素が存在している」とスリムはコメント。さらにこう続けている。
「正式な申し込みを行う前にやっておく必要のあることが、まだいくつかある。それら1つ1つに時間が掛かるんだ。片付くのが一刻も早くなることを祈るばかりだ」
同時にスリムは、メキシコ人によって購入されたアメリカGP(11月18日決勝)のチケット数を引き合いに出し、メキシコは再びF1の開催地となるのにふさわしい場所であることが証明されたとも話した。
また、世界各地で経済危機が叫ばれている中、メキシコは現在「素晴らしい時代」を迎えており、「大規模なイベントを誘致するのに必要な条件のすべて」がそろっているとスリムは意気込んだ。
「正式な申し込みに向けて、作業に取り組んでいるところだ。私の知っている限りでは、あらゆることが最適なタイミングでなされている」とスリムはメキシコGP復活について語っている。