元銀行家のゲルハルト・グリブコウスキーが今週、賄賂(わいろ)としてF1最高責任者のバーニー・エクレストンから巨額の金銭を受け取ったことを認めたと報じられたが、これに対してエクレストンが反論した。
グリブコウスキーは、エクレストンがグリブコウスキーに対して、「F1では、君が僕の背中をかいてくれれば、僕も君の背中をかいてあげるというのが習わしなんだ」と話したと供述している。
ドイツのメディアはさらに、元バイエルン銀行の危機管理担当役員であったグリブコウスキーが法廷で「エクレストンが自分には契約を見直す権限があるから、金もうけができるスポーツ(F1)に対する銀行の関与は薄まるかもしれないと言った」との供述も行ったと伝えられた。
また、エクレストンがグリブコウスキーに対して「もし君がF1を売るのを手伝ってくれるなら、君をコンサルタントとして雇うよ」と語ったとも伝えられている。
エクレストン自身も、数年前のF1売却行為に関してミュンヘンの検察官から取り調べを受けてきているが、今回のグリブコウスキーの証言について、『Telegraph(テレグラフ)』に「(グリブコウスキーが)保身をしようとしているのだ」と次のように語った。
「彼(グリブコウスキー)はそういうふうに言うと思っていたよ。たぶんそれによって14年の刑が7年くらいに軽減されるのかもしれないね」
「あのかわいそうなヤツはもう18か月も刑務所にぶちこまれている。自分自身を救うためならどんなことでも言っただろう。どのみち、彼は刑務所行きが決まっていたからね」
ジャーナリストのクリスチャン・シルトが『Telegraph(テレグラフ)』で書いた別の記事によると、エクレストンがグリブコウスキーに対して法的措置をとるかどうか検討していると述べたようだ。
広く報じられていることによれば、グリブコウスキーが今回収賄を認めたことで、その容疑にかかわる刑期は最大でも9年となる。判決は来週出る予定だ。