F1のコスト削減に関して消極的なレッドブルに対し、小規模チームからのプレッシャーが強まっている。
5月28日(月)にモナコで、F1最高責任者バーニー・エクレストンとF1統括団体FIA(国際自動車連盟)会長のジャン・トッドを交えたチーム会議が開催された。議題の中心は、コスト削減だった。
ドイツ紙『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によると、この会議においてトッドが、2013年以降のF1ルールに、コスト削減の項目を盛り込むことをFIAが推進中であると示唆したようだ。
現在F1に参戦している12チームのうち、兄弟チームであるレッドブルとトロ・ロッソを除いた10チームが、このコスト削減案に乗り気である。
なおザウバーのチーム代表ペーター・ザウバーと同チームCEOモニシャ・カルテンボーンは、F1の世界には「10年後に(F1が)存在しているかどうかさえ気にかけていない人だっている」として、コスト削減に協力的ではないレッドブルを強く非難したばかりだ。
ザウバーなど小規模チームにとって、この問題は早急に決着をつけなくてはならない。というのも、6月30日(土)までに合意できない場合、新規則を2013年に導入することが不可能なためだ。ウィリアムズの非常勤役員トト・ヴォルフも、ザウバーの側につき、こうコメントした。
「彼らは(1シーズンにつき)2億5,000万ユーロ(242億円)を費やすんだ」
「コスト削減が実現すれば、マテシッツ(※)は1億ユーロ(約96億9,700万円)節約できるよ」
「それにこれ(コスト削減)は彼にとっても悪くない案だと思う」
「だって彼が今やっているような無制限に資金を投入するというやり方は、現在のルールのもとでは、もはやアドバンテージにはならないんだからね」
「開幕からの6レースの結果から、彼はそのことに気付くべきだ」
※ディートリッヒ・マテシッツ:世界的飲料メーカーレッドブルの創始者であり、レッドブル・レーシングおよびトロ・ロッソのチームオーナー