もし雨が降っていたら、トロ・ロッソのルーキー・ドライバー、ジャン・エリック・ベルニュがモナコGPで優勝していたかもしれない。そう主張するのは、かつて80年代にフェラーリのドライバーを務めていたフランス人のパトリック・タンベイだ。
モナコGP決勝の終盤、雨がぱらつき始め一時はトップ集団のラップタイムが5秒も落ちるほどだった。トロ・ロッソは、ポイント圏内の7番手を走行していたベルニュを残り11周というところでピットインさせ、インターミディエイトタイヤ(路面の水量が少ないとき向け雨用タイヤ)に交換した。しかし結局、雨はそれ以上強くならず、ベルニュはポジションを落として12位でフィニッシュ、ノーポイントに終わっている。強い雨が降り出したのは、チェッカーフラッグが振られたあとだった。
レース後、トロ・ロッソのこの選択を笑う者が多かったが、タンベイは、同じフランス人のベルニュがポジションを一気にあげて優勝する可能性もあった、と『RMC Sport(RMCスポール)』に語った。
「もし雨が降っていたら、勝っていたかもしれない」
「レース終盤は、誰もがひどくすり減ったタイヤを履いていたから、コースアウトしないように相当苦労したはずだ」
「(雨用タイヤに換えるために)ピットに飛び込むこともできるが、残り周回数が少ないからリスクが大きい」
「しかし、彼(ベルニュ)はインターミディエイトを履いていたから、どんどん抜いていくことができただろう。モナコGPで優勝する可能性も十分あった」とタンベイは話している。