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フェラーリとレッドブルの特別契約説、他チームから不満が噴出

2012年03月21日(水)19:17 pm

フェラーリとレッドブルが次のコンコルド協定締結に向けて特別な条件を受けることになると『Sky News(スカイ・ニュース)』が報道したことを受けて、ライバルチームたちは不満を募らせている。

コンコルド協定とは、F1を統括するFIA(国際自動車連盟)とF1の商業権を取り仕切るFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)が作成し、F1に参戦するチームとの間で締結される協定で、F1におけるさまざまな規定や商業的な権利について定められたもの。現在の協定は2012年いっぱいで満了となり、2013年度からは新たな協定が締結されることになる。協定の内容は原則として非公開であり、新協定ではチームごとに個別の協定が締結されるとも言われる。

しかし、チームごとに異なる協定が結ばれることへのけん制の意味も含め、チーム間でそうした内容の協議を行う組織としてFOTA(フォーミュラ1チームズ・アソシエーション)が結成されていた。しかし、昨年いっぱいでフェラーリ、レッドブルらが相次いでFOTAを脱退しており、自らに有利な形で新たなコンコルド協定を締結しようと考えているのではないかとの憶測もあった。

『Sky News(スカイ・ニュース)』の報道は、フェラーリやレッドブルとの契約内容や、100億ドル(約8,300億円)に及ぶF1の新株発行に関する秘密の計画を暴露するものであったため、F1の商業権を取り仕切るFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)を率いるF1最高責任者のバーニー・エクレストンがその記事をインターネット上から削除するよう命じたとの憶測がなされている。

しかし、『Financial Times(フィナンシャル・タイムズ)』は、『Sky News(スカイ・ニュース)』の親会社である『BSkyB(BスカイB)』の代表取締役であるジェレミー・ダーロックが、「F1チームを混乱させた」ために問題の記事が削除されたと報じている。

伝えられるところによれば、今年からイギリスでF1の中継を行う『Sky(スカイ)』のF1番組プロデューサーが、開幕戦の舞台メルボルンから上司たちに電話をかけていたという。

『Financial Times(フィナンシャル・タイムズ)』は、今回の状況に詳しい人物が、そのプロデューサーは「今回の記事によっていくつかのF1チームが強い反発姿勢を見せている」と伝えたと同紙へ語ったと報じた。

『BSkyB(BスカイB)』の広報担当者はこの件に関して次のように語っている。

「その記事はさらなる検証を行うために取り下げられた。われわれは記事の内容に自信を持っており、再検証の結果、月曜日(19日)に改めて掲載することを決定した」

すでにフェラーリとレッドブルが脱退してしまっているFOTAは急きょ18日(日)にメルボルンのパドックで会合を持ち、どのようにその記事へ対応するか話し合いを行ったと『Financial Times(フィナンシャル・タイムズ)』は続けている。

もはやフェラーリとレッドブルという2つのF1の有力トップチームがいなくなったという事実は、フェラーリやレッドブルと個別契約を結び、ライバルチームについてはその前例に従うことを強要する機会をエクレストンへ与えることになる。

エクレストンは「FOTAは誰とも、何もサインすることなんかできない」と語り、フェラーリとレッドブルとの特別契約についてコメントすることを拒否している。

さらに、この件に関してはフェラーリも、F1株式を保有するCVCもコメントを拒否した。

しかし、ある匿名のチーム首脳は、現在うわさされている特別契約については、「夢物語だ」と一蹴しており、別の関係者は今回の話はエクレストンの「分割統治戦略」の典型的な例だと語っている。

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