ノーズが不細工だとして話題になっている今季F1マシン。しかし、その責任はチーム側にある。
こう語ったのは、F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)で安全面なども担当するチャーリー・ホワイティング。今季からFIAは、クラッシュ時の安全性を向上させるため、ノーズに関するルールを変更していた。
FIAがノーズを低くした理由の1つに、Tボーンクラッシュ時の安全性がある。あるクルマが他車の側面へノーズから衝突するTボーンクラッシュが発生した際、ノーズがドライバーの頭部に激突することを避けるための措置であるとのことだ。これについて、ホワイティングは『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』へこう説明した。
「ほかのクルマの側面へ衝突した際の危険性を最小限にするため、サバイバルセル(コックピット)よりも低くしたかった」
「しかし、サスペンション取り付け位置の関係から、設計をゼロからやり直さなければいけなくなるとクレームをつけてきたエンジニアが数人いた」
「そのため、新しい規定をシャシーには適用せず、ノーズ(のみ)に適用させるという結果になったのだ」
すでに新車を発表した5チームのうち、ケーターハム、フェラーリ、フォース・インディア、ロータスはノーズとシャシーを接続するバルクヘッド付近に段差を作り、シャシーの高さは維持したままノーズを低くしている。また、6日(月)に新車発表を予定しているザウバーもノーズに段差があると認めていた。
しかし、マクラーレンだけは段差を作っておらず、ノーズをなだらかな曲面にして先端を低くすることでルールに対応している。