レッドブルのエイドリアン・ニューウェイ(チーフテクニカルオフィサー)が、2026年に導入が予定されている新たなレギュレーションによってF1マシンのスピードとパフォーマンスがかなり低下する恐れがあると警鐘を鳴らしている。
■持続可能性を追求するF1
先週、ホンダがアストンマーティンと組んで2026年にF1に本格復帰することを発表したが、その際ホンダは復帰決定のカギとなったのはF1が導入を計画している新ルールのビジョンだったとして次のように説明している。
「2030年までにカーボンニュートラルを達成するという目標を追求するために、F1はエンジンと電気モーターの最大出力比を50対50とする新しいレギュレーションを導入することになります」
「これは、現在の比率との比較において電力の割合が大幅に増加することを意味するものですし、同時に100パーセント持続可能な燃料の使用も要求されます」
■新たなルールがF1マシンを遅くする可能性も
今週、2026年のルールについて質問されたレッドブルの技術最高責任者であるニューイは、F1には明らかにレギュレーションが必要であり、そうでなければマシンは「単純なロケットのような、ばかげたもの」になってしまうだろうと語った。
しかし、その一方で、天才的F1マシン設計者との評価も高いニューウェイは、2026年のレギュレーションは行き過ぎの可能性もあるとしている。
「レギュレーションは重要だ。そうでなければ、このスポーツの安全性は非常に深刻な懸念となるだろう」
イタリアの『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』にそう語った64歳のイギリス出身エンジニアは、次のように付け加えている。
「しかし、2026年に向けて提示された変更は、FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)が設定した環境持続などの重要な問題に取り組むことが目的となっており、現在マシンが示している純粋なスピードとパフォーマンスを脅かすものだ」。