アストンマーティンのチーム代表を務めるマイク・クラックが、2023年シーズン中にレッドブルと対等に戦えるようになると考えるのは楽観的過ぎると認めた。
■レッドブルに次ぐパフォーマンスを見せるアストンマーティン
2022年にはコンストラクターズランキング7位に沈んだアストンマーティンだが、今年はマシンのパフォーマンスが大幅に改善されている。
昨年限りで引退したセバスチャン・ベッテルの後任として迎えた2005年と2006年のF1チャンピオンである41歳のフェルナンド・アロンソが開幕から3戦連続で3位表彰台に上る活躍を見せており、現在はレッドブルのマックス・フェルスタッペン、セルジオ・ペレスに次ぐドライバーズランキング3番手に位置している。
また、チームメートのランス・ストロールも、開幕前に骨折した手首がまだ完全な状態ではないものの、また、第2戦サウジアラビアGPではマシントラブルによるリタイアに終わったにもかかわらず、ここまでに20ポイントを稼いでランキング6番手につけている。
コンストラクターズランキングでもメルセデスやフェラーリを抑えて2番手につけているアストンマーティンは、今年は主要ライバルチームたちよりも多くの風洞テスト時間を有しており、開発がうまく進めばレッドブルに追いつくことも可能だと考えている者もいる。
■今季の本当のライバルはメルセデス、フェラーリ、アルピーヌ?
だが、BMWの前モータースポーツ責任者であるルクセンブルク出身のクラックは、現実的にはレッドブルとの戦いよりも、メルセデスやフェラーリとの戦いを意識していくことが重要だと考えているようだ。
「我々はレッドブルには大きく離されている。たとえ彼らが立ち止まったとしても、その差は1シーズンで追いつくには大き過ぎるよ」
「もちろん、我々も最速のマシン(レッドブル)を基準にしてはいる。だが、フェラーリ、メルセデス、アルピーヌとの差に関しても常に目を向けているよ」
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にそう語った51歳のクラックは、次のように付け加えている。
「現実的でなくてはならない。我々は上を目指さなくてはならないが、同時に3位と4位も視野に入れておかなければならないんだ。あっという間に状況が変わることもあるからね」