フェラーリで3年目のシーズンを迎えているスペイン出身ドライバーのカルロス・サインツが、フェラーリに対して批判的な報道を続けているイタリアのメディアに対して苦言を呈した。
■批判は何の助けにもならないとサインツ
28歳のサインツは、批判的報道をいくら続けてもそれがイタリアの名門F1チームを改善する助けになることはないと次のように主張している。
「この状況に対して、ここにいる僕たち以上に動揺したり、怒ったり、不満に思ったりしている者はいないことを理解する必要があるよ」
「こうした状況を一番望んでいないのは僕たちだよ。そして、状況を好転させるためにアクセル全開で取り組んでいるのも僕たちなんだ」
「そして、ああいうコメントは僕たちを助けるどころか、むしろ動揺させ、さらに引きずり落とすことだってある」
■フェラーリ関係者によるネガティブコメントも
だが、現在報じられているフェラーリに対するネガティブなコメントの中には、フェラーリ関係者から発せられたものがあるのも事実だ。
例えば、フェラーリ会長兼CEOのジョン・エルカーンの弟であるラポ・エルカーンは、SNSを通じて、兄がフェラーリで十分に存在感を発揮できていないと示唆している。
ラポ・エルカーンは、あるSNSユーザーが「我々ファンから見れば、社長は不在のようだ」と書き込んだことに対し、次のように返している。
「残念ながら、私もわかっている」
■新チーム代表のバスールに信頼を寄せるエルカーン
だが、多国籍自動車会社グループであるステランティス N.V.の会長でもあるジョン・エルカーンは、先週末に行われたフェラーリの株主総会でF1チームに言及しながら次のように語った。
「昨年はパフォーマンスを大幅に向上させることができた」
「今の我々の目標は、F1タイトルを獲得することだ。フレッド(今季からフェラーリF1チーム代表を務めるフレデリック・バスール)はチーム全員と共に、この目標を達成することに集中している」
■18日にはサインツのペナルティーに関する公聴会も
ジョン・エルカーンが言及した新チーム代表のバスールは、メルボルンで行われた前戦オーストラリアGP決勝終盤のリスタート時にフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)と衝突したサインツに5秒ペナルティーが科されたことを不服として、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)に異議申し立てを行っている。
もしその異議が認められて5秒のタイムペナルティーが取り消されれば、サインツは4位フィニッシュとして12ポイントを獲得できることになる。
FIAはこの件に関する公聴会を、18日(火)にオンラインで行うことを明らかにしている。