メルセデスを率いるトト・ヴォルフによれば、戦略責任者であったジェームズ・ヴォウルスからチームを去りたいとの申し出を受けたのは“驚き”だったという。
■メルセデスの戦略との見方もあったヴォウルスのウィリアムズ移籍
ウィリアムズは2021年からチームCEOを務めていたヨースト・カピートを2022年シーズンいっぱいで更迭。そして、メルセデスで戦略責任者(モータースポーツ・ストラテジー・ディレクター)として活躍していた43歳のヴォウルスを新たなチーム代表に迎えることを発表した。
このニュースが報じられた当初は、ヴォルフがメルセデスF1チームの政治的・技術的協力関係を強化するために、エンジンの供給先であるウィリアムズにヴォウルスを貸し出すことにしたのだろうと考えた者もいた。
■「驚きだった」とメルセデスのボス
しかし、F1最高責任者(CEO)のステファノ・ドメニカリや、アルファロメオ(ザウバー)の新CEOに就任したアンドレアス・ザイドルなどと共に母国オーストリアのキッツビューエルで開催されたスキーのワールドカップイベントを訪れていたヴォルフは、ヴォウルスのウィリアムズ移籍問題について質問されると『Speed Week(スピードウィーク)』に次のように語った。
「かなりの驚きだったよ」
「とは言うものの、彼は常にこのような目標を持っていた人物なんだ。そして、ここ(メルセデス)ではそのような昇進は現在私が阻んでいるからね」
「ジェームズは非常に知的で道理をわきまえたプレーヤーだよ。だから我々は彼を契約から解放したんだ。そういう人物がウィリアムズで意思決定をするのは、F1全体にとってもいいことだよ」
■2月下旬から実際にウィリアムズを率いるヴォウルス
ヴォウルスは、今年のF1プレシーズンテスト開催の3日前となる2月20日(月)に正式にウィリアムズのチーム代表に着任することになっている。
2022年にはコンストラクターズランキング最下位に沈んだウィリアムズだが、今年はアレクサンダー・アルボンとルーキードライバーのローガン・サージェントというドライバーコンビで戦うことになる。ヴォウルスがメルセデス時代の経験を生かしてどのような手腕を発揮するのかにも興味が持たれるところだ。